遺贈とは?贈与、遺贈寄付との違いを解説

遺贈とは?贈与、遺贈寄付との違いを解説


「遺贈」という言葉をご存知でしょうか。

最近は「社会に貢献したい」「自分が生きた証を残したい」「次世代を担う若者を応援したい」などの理由で、遺贈や遺贈寄付を選択する人が増えています。

本記事では遺贈および贈与、遺贈寄付それぞれの仕組みや特徴などについてご紹介します。
 

 

遺贈とは

遺贈とは遺言状によって、法定相続人以外の人に財産の全て、もしくは一部を譲ることができる仕組みです。
「介護をしてもらった息子の嫁に財産を残したい」「お世話になった人の息子に財産を譲りたい」など、もらう側の意思を考慮せず贈与する側の一方的な遺言で行うことができます。

遺贈する相手は生前に関わりのあった特定の個人はもちろん、病院や教育機関、地方自治体などの団体や法人を指定することも可能です。

遺贈には下記の2つの種類があります。

●    包括遺贈
●    特定遺贈

一つずつ説明していきます。

 

包括遺贈とは

包括遺贈とは、相続財産の全て、もしくは一部を譲ることをさします。この際、全財産の〇割といった配分割合のみを指定することもできます。
包括遺贈を受け取る側になったら、プラスの財産を受け取る権利だけでなく借金などマイナスの財産を引き継ぐ可能性もあります。
もちろん遺贈を放棄することもできるため、その際は遺贈を知った3カ月以内に家庭裁判所で放棄の手続きを行います。
包括遺贈を受け取る側は遺産分割が必要になった場合、相続人と一緒に遺産分割協議に参加する必要があります。
 

特定遺贈とは

特定遺贈とは自宅不動産のみなど、相続財産の中から特定したもののみを譲ることをさします。
特定遺贈の相続者は、遺産分割協議を経ずに指定された遺産だけを受け取ることができます。
もちろん特定遺贈の相続者も遺贈を放棄することができます。しかしながら放棄するか否かの手続き期間に期限がないため、相続人などの利害関係者は相当の期間を定め特定遺贈の相続者への催告が必要になるケースもあります。

 


 

贈与とは

贈与とは財産を譲る側が、受け取る側に「自分の財産を無償で与える」という意思を示し、財産をもらう側が「受け取る」という意思を示すことによって成立する契約です。
贈与は口約束だけでも成立します。しかしながら財産を譲る側の気持ちが変わったり互いの認識違いが起こったりする可能性もあるため、できる限り書面に残しておく方が良いでしょう。
 

遺贈と贈与の違い

財産を渡すという点では同じですが、遺贈と贈与には下記のようないくつかの違いがあります。

●    合意の有無
●    撤回や破棄ができるか
●    税金について

一つずつ説明していきます。
 

合意の有無

遺贈は財産を譲る側の意思だけで行うことができ、受け取る側の同意は不要です。財産を受け取る側は、譲る側が亡くなって初めて財産をもらえることを知ることもあります。
贈与は財産を譲る側と受け取る側がお互いの合意のもと、贈与契約を結ぶ必要があります。
 

撤回や破棄ができるか

遺贈の場合は遺言状によって財産を譲るという意思表示を行います。そのため遺言状を作り直すことにより、遺贈を撤回したりその内容を変更したりすることができます。
遺言状は日付が新しいものが優先されますので、以前に作成した遺言状の内容を撤回するなどの手続きは必要ありません。
また遺贈は財産を受け取る側が相続破棄を行い、財産を受け取らない場合もあります。
贈与は財産を譲る側と受け取る側が同意し契約を結ぶので、一方的な撤回や内容変更はできません。もちろん、お互いの合意があれば契約を破棄したり内容を変更したりすることは可能です。
 

税金について

遺贈と贈与は、それぞれに課税される税金が異なります。
遺贈で受け取った財産は相続税の課税対象となり、生前贈与で受け取った財産は贈与税の課税対象、死因贈与の場合は相続税の課税対象となります。
一般的に相続税よりも贈与税の方が、税額が大きくなることが多いです。相続なのか贈与なのかによって、税額が変わってきますので注意が必要です。
また受け取った財産が不動産だった場合は、不動産取得税や登録免許税がかかります。
ただし、包括遺贈および、相続人への特定遺贈の場合は、不動産取得税が非課税となります。
 

 

遺贈と贈与の長所と短所

次に、それぞれの長所と短所をご説明します。

 

遺贈の長所

遺贈は、遺言者の意思だけで財産を譲ることができます。また遺贈の内容は何度でも取り消したり、変更したりすることが可能です。

 

贈与の長所

財産を譲る側と受け取る側の口約束だけで、契約が成立します。またその財産は譲る側の生前から、受け取る側に渡すことができます。

 

遺贈の短所

遺言者の意思があっても遺言者が死亡するまで、財産を渡すことができません。また遺留分を侵害した遺贈は遺留分侵害額請求をされることがあります。
遺留分とは、一定の相続人に確保されている遺産の持分割合のことです。遺留分侵害額請求とは、遺言や贈与などで一部の人に多く遺産が譲られてしまった場合に、これを取り戻すため相続人が請求する仕組みです。
 

贈与の短所

贈与は財産を譲る側と、受け取る側の意思表示が必要です。そしてお互いの意思表示を書面に残した場合、原則として撤回することができません。
また年間110万円以上の贈与には、贈与税がかかります。


 

遺贈寄付とは

遺贈寄付とは社会貢献活動に役立てることを主な目的とし、遺言によって遺産の全てもしくは一部を特定の団体や個人に寄付することをいいます。

遺贈寄付は遺産だけでなく、生命保険や信託による寄付も含まれます。

遺贈寄付した財産は相続税の控除対象に含まれ、納めるべき税金を減らすことができます。
ただ、この優遇措置が受けられるのは国や地方公共団体、認定NPO法人、特定公益増進法人などに寄付した場合に限られますので、遺贈寄付を検討する際には寄付先が相続税控除の対象にあるのか否か確認が必要です。

遺産等による寄付は下記の3つの種類に分けられます。

●    遺言によるもの
●    相続財産によるもの
●    生命保険や信託によるもの

一つずつ説明します。
 

遺言によるもの

遺言書に自分の財産を寄付する旨を記載しておくことで、死後、遺言書に従って寄付することができます。これが遺贈寄付にあたります。
団体に寄付する場合には、事前に何を寄付するのか伝えておきましょう。もし伝えていなかった場合は手続きに時間がかかったり、受け取りを拒否されてしまったりすることがあります。

ここからは遺言状を用いた、遺贈寄付の手順について説明します。

寄付先を決めた後は、遺言状を作成します。

現在、遺言状として主に利用されている方式は以下の2つです。

  • 公正証書遺言
  • 自筆証書遺言

一つずつ説明します。

 

公正証書遺言

公正証書遺言とは、公正役場で公証人に作ってもらう遺言状です。

作成する費用は発生しますが、偽造や変造を防ぐために家庭裁判所が行う検認が不要になるなど、最も信頼性が高い遺言状として扱われます。

 

自筆証書遺言

自分で手書きし、作成する遺言状です。

費用をかけずにすむ一方、検認を受ける手間や遺言状として認めてもらえないリスクがあります。

遺言状は、法律で決められた方式通りに作成しなければ無効になります。

 

公正証書遺言も自筆証書遺言も遺言者が亡くなった後に、遺言の内容を実現するための遺言執行者を指定する必要があります。

遺言執行者は相続人の中からも選べますが、中立的な立場の専門家に遺言状の作成を依頼することで遺言執行人を引き受けてもらえることもありますので、遺言状を作成する際は一度、専門家に相談することをお薦めします。

なお遺贈寄付する場合は、特定遺贈を選びましょう。

包括遺贈にしてしまうと寄付先の団体は、相続人と同じ権利義務を負うことになります。

それにより寄付先の団体が、相続人と遺産分割協議しなければならなくなる可能性があり、寄付先の団体に思わぬ迷惑をかけてしまう可能性があります。


 

相続財産によるもの

相続財産による寄付とは、直接亡くなった方から寄付されるのではなく、遺産を受け取った人が寄付することをさします。

 

生命保険や信託によるもの

生命保険や信託による寄付とは、死亡保険金や生命保険契約によって生じた利益を寄付することをいいます。生前に保険契約を信託銀行などに信託・運用してもらい、特定の団体・個人のために保険金を役立てる仕組みです。生命保険の受取人として寄付したい団体を指名しておいたり、信託銀行を遺言執行人として契約を結んでおいたりすることで行うことが可能になります。 

 

遺贈寄付のメリット

遺贈寄付のメリットには、以下のようなものがあります。

  • 所得税の控除が受けられる
  • 相続税を節税できる

それぞれ説明します。

 

所得税の控除が受けられる

亡くなった人の確定申告は、相続人が相続を知った日の翌日から4カ月以内に申告と納税を済まさなければなりません。

その際に、遺贈寄付した分の金額について一定の要件を満たせば、寄付金控除として所得税の控除を受けられます。

この寄付金控除は通常の確定申告でも適用されるので、相続人が財産を相続した後で寄付をした場合でも、所得税の控除を受けることができます。

 

相続税を節税できる

遺言による寄付をした分の財産は、相続税の課税対象には含まれません。

また相続人が財産を相続した後でも、「相続税の申告期限内に財産を相続したそのままの形で、認められている団体や組織に寄付すること」で、相続した財産を相続税の対象から控除できます。

注意点としては、寄付先はどこでもいいわけでなく、寄付金控除が受けられる団体である必要があります。

 

 

まとめ

遺贈寄付は、人生の最後に自分の希望や想いを叶えられる手段の一つです。

税制上のメリットも大きいですが、残した財産の使い道を自分で決められることや、社会に貢献したい、誰かの役に立ちたいという考えを実現できることこそ何よりのメリットではないでしょうか。

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