障がい者への就労支援にはどんなものがある?

障がい者への就労支援にはどんなものがある?


日本では、身体に何らかの障がいを持った方も、就労支援を受けながら働けます。身近に障がい者がいないという方は、障がい者への就労支援と聞いてもイメージしづらいでしょう。

そこで本記事では、障がい者への就労支援について深掘りしていきます。

 

障がい者への就労支援とは

障がい者への就労支援とは、働くために必要なスキルを身につける訓練や、安定して働くために必要な能力を身につける訓練を提供することです。

就労支援は、障害者総合支援法で定められています。障害者総合支援法は、障害者制度改革推進法本部等における検討を踏まえてできた法律です。

地域社会での共生の実現を目指し、障がい者福祉サービスや障がい者の日常生活・社会生活を支援する、障害保健福祉策を講ずることを目的に創設されました。

障害保健福祉策を講ずることで、障がい者が基本的人権を享受する個人として、尊厳にふさわしい日常生活や社会生活を送ることを目指しています。

そんな障がい者への就労支援は、以下の4つに分けられます。

  • 就労移行支援
  • 就労継続支援A型事業
  • 就労継続支援B型事業
  • 就労定着支援

次の章から、それぞれの支援について詳しく見ていきましょう。

 

1.就労移行支援

就労移行支援とは、企業の一般枠、もしくは障がい者枠での就職を目指す方への就労支援です。就労移行支援サービスを提供している場所を、就労移行支援事業所といいます。

 

就労移行支援の対象者

就労移行支援は、次のような方を対象としています。

  • 身体障害、知的障害、精神障害、発達障害、難病がある方
  • 65歳未満の方
  • 一般企業への就職を希望している方

このほかにも、さまざまな障がいを持った方が利用しています。就労移行支援は、障がい者手帳を持っていなくても、医師や自治体の判断で就職が困難と判断された場合に利用可能です。

 

就労移行支援の内容

就労移行支援では、具体的に以下のような支援が受けられます。

  • 希望する職種に必要なスキルを身につける職業訓練
  • 履歴書、応募書類の添削、模擬面接といった就職活動サポート
  • 求職活動支援
  • 就職に関する相談、支援
  • 一人ひとりの適性に合った職場探しやサポート
  • 企業の職場実習の機会の提供

このようなサポートを、就労移行支援事業所に通いながら受けることが可能です。

就労移行支援は、原則2年間利用できます。ただし、2年で就職が決まらなかった場合は、自治体に申請すれば1年延長が可能です。

 

 

2.就労継続支援A型事業

就労継続支援A型事業とは、一般企業への就職が困難な障がい者が、支援を受けながら働ける事業です。支援やサポートを受けられるだけでなく、実際に就労継続支援A型事業所と雇用契約を結んで、最低賃金以上の給与が得られます。

 

就労継続支援A型事業の対象者

就労継続支援A型事業は、以下の方が対象となります。

  • 18歳以上65歳未満の方
  • 精神障害、身体障害、知的障害、発達障害、難病がある方
  • 就労移行支援事業を利用して、就職につながらなかった方
  • 特別支援学校の卒業後に就職活動をしたが、就職につながらなかった方
  • 就労経験はあるが、現在は就労していない方

就労継続支援A型事業は、支援を受けながらも雇用契約を結んで給与を受け取ります。そのため、就労可能という医師の判断と、就労するために必要な最低限の能力や体力が必要です。

 

就労継続支援A型事業の内容

就労継続支援A型事業の内容は事業所によって異なります。以下は作業内容の一例です。

  • 飲食店での製造、提供
  • 販売店での接客、品出し
  • パソコンでのデータ入力作業
  • 袋詰めなどの軽作業
  • 工場での部品加工
  • 農作業
  • パン作り 

幅広い職種で働けるため、障がい者一人ひとりに合った働き方ができます。事業所によって勤務日数や勤務時間は異なりますが、1日4〜6時間、週3日以上が一般的です。

 

就労移行支援との違いは?

就労移行支援との違いは、支援の目的にあります。

就労移行支援では、障がい者が就職に必要なスキルを身につけることが目的です。一方で就労継続支援A型事業は、一般的な企業への就職が困難な障がい者に、働く場を提供することを目的としています。

また、就労継続支援A型事業は、就労移行支援のような利用期間の制限がなく、長期にわたって利用できる支援サービスです。

 

 

3.就労継続支援B型事業

就労継続支援B型事業では、雇用契約を結んで就労することが困難な方が支援を受けられます。雇用契約は結びませんが、就労の機会や訓練を通して、工賃が得られるのが大きな特徴です。
 

就労継続支援B型事業の対象者

就労継続支援B型事業の対象者は、身体障害、知的障害、精神障害、発達障害、難病などの障害があり、医師から就労継続支援B型事業の利用を許可された方です。

さらに、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。

  • 就労経験はあるが、年齢や体力の面で一般企業での就労が困難になった方
  • 50歳以上の方
  • 障害基礎年金1級を受給している方
  • 就労移行支援事業所等で就労するための課題が把握されており、就労継続支援B型事業の利用が適切だと判断された方

就労継続支援B型事業は、障がいを持っている方がいきなり利用できる支援サービスではありません。まずは就労移行支援や就労継続支援A型を利用して、就労に結び付かなかった場合や、それに相当する場合にサポートを受けられるというイメージです。

 

就労継続支援B型事業の内容

就労継続支援B型事業の作業内容は事業所によって異なります。以下は、作業の一例です。

  • 衣類クリーニング
  • パン、お菓子の製造
  • 農作業
  • ミシンなどの手芸作業
  • 清掃作業
  • 袋詰め、値札付け
  • 製品の梱包、発送作業

就労継続支援B型事業は、体に負担の少ない軽作業が多い傾向にあります。また、自身の体調や障害に合わせて、1日1時間〜、週1〜のような働き方ができるのも特徴です。

 

就労継続支援A型事業との違いは?

就労継続支援A型事業では、雇用契約を結んで一般的な就労と同じように働けます。一方でB型事業では、雇用契約は結ばず、自分の障がいや体調に合わせて無理なく働けるのが大きな違いです。

また、受け取れる給与や工賃にも違いがあります。就労継続支援A型事業は最低賃金が保証されているのに対し、B型事業は保証されていません。

以下は、令和3年における就労継続支援A型事業とB型事業の平均工賃です。

 

 

4.就労定着支援

就労定着支援とは、一般企業で働く障がいを持った方が、長く働き続けられるように支援するサービスです。
就労先の労働環境、業務内容に対応できるよう、サポートしています。
 

就労定着支援の対象者

就労定着支援は、就労移行支援のほか、自立訓練や生活保護といった社会福祉サービスを利用して、一般就労した障がい者が対象です。

 

就労定着支援の内容

就労定着支援では、障がい者が一般企業で働く上で生じる悩みや課題を解決するため、障がい者本人や職場の上司と面談を行います。

障がい者が一般企業で働くと、次のような悩みや課題が多く生じます。

  • 職場の同僚とうまくコミュニケーションがとれない
  • ミスが多い
  • 遅刻、欠勤をしてしまう
  • 給与管理ができず、生活に支障が出る

このような悩みや課題をそのままにしておくと、職場からの信頼を失ってしまい、退職しなければならない状況になり兼ねません。

そこで就労定着支援では、悩みや課題の解決に向けて、就業面だけでなく、体調面や生活面までサポートしているのです。

就労定着支援は、就労移行支援事業所が行っていることが多く、就労移行支援を受けた障がい者がそのまま同じ事業所で就労定着支援を受けられるようになっています。

 

就労移行支援、就労継続支援との違いは?

就労移行支援や就労継続支援との違いは、障がい者をサポートするタイミングです。

就労移行支援や就労継続支援では、障がい者が就労できるようにサポートしています。
一方で就労定着支援では、障がい者が就労したあと、長く働き続けられるようにサポートしているのです。

 

まとめ

障がい者への就労支援でも、就労するためのスキルアップを図る支援から、実際に就労する機会を提供する支援まで、さまざまです。障がい者に限りませんが、その人が可能な働き方は人によって全く異なるため、障がい者一人ひとりに合った就労支援が必要になります。

障がいがあるからといって働くことを諦めるのではなく、障がいがあっても心地よく働くために、就労支援は必要不可欠な福祉サービスなのです。
 

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