食品ロス削減のために、自分たちにできることってなに?
皆さんは「食品ロス」という言葉を聞いたことがありますか。
物価の上昇、特に食品や飲料の値上げが止まらない一方で、まだ食べられるにも関わらず食品が捨てられてしまう現状があります。
本記事では、食品ロスについて考えていきます。
1.食品ロスとは?
食品ロスとは、まだ食べられるにも関わらず捨てられてしまう食品のことをさします。
日本では同じような意味でフードロスという言葉が使われることがありますが、海外では食品ロスとフードロスの意味合いが少し異なっています。
国際連合食糧農業機関(FAO)では、フードロスを「食品提供者の判断によって生じる食品の量や質の低下」と定義づけています。海外では、フードロスは個人ではなく、事業者に対して使用されるのが一般的になっています。
もう一つ、フードウェイストという言葉があります。
こちらもFAOによると「消費者をはじめ小売業者、食品サービス事業者の判断や行動によって生まれる食品の量や質の低下」と定義づけされており、事業者だけでなく消費者の食べ残しや調理で発生するゴミなどを含め廃棄されている食品全般をさします。
本来であれば、まだ食べられるにも関わらず捨てられてしまう日本国内の食品ロスの量は令和3年度の推計では年間523万t、国民一人あたり約42kgでした。
これは日本国民全員が毎日、お茶碗一杯分のご飯を捨てているのと同じ量になります。
食品ロスは大きく分けて、事業系と家庭系の2種類があります。
各家庭から発生する家庭系食品ロスは令和3年度の推計で244万t、事業活動を伴って発生する事業系食品ロスは279万tになっています。
家庭系食品ロスは、各家庭から発生する食品ロスです。
購入したものの使わずに捨ててしまう食材や、料理の作りすぎによる食べ残しなどが家庭系食品ロスとしてカウントされています。
事業系食品ロスは、食品製造・食品卸売業・食品小売業・外食産業の4つに分類されます。
食品製造業では、食品や飲料などの製造・加工し出荷までを行います。
食品製造業から出される食品ロスは、主に需要を上回る製造やパッケージの破損・印刷ミス、流通側からの返品が原因とされています。
食品卸売業は生産者や食品製造業から食材や加工食品を受け入れ、小売店および外食店への配送までの中間流通を担当します。
食品小売業はスーパーや店舗など、仕入れた商品を最終消費者に販売する役割を担っています。
食品卸売業や食品小売業から出される食品ロスは、主に売れ残りや3分の1ルールと呼ばれる商慣習が原因です。
外食産業はファミレスやレストランなど、家庭外で食事を提供する飲食業です。
外食産業では料理の作りすぎや客の食べ残しなどが食品ロスの大きな原因と言われており、この4業種から出される食品ロス量は上述した通りです。
こちらも令和3年度の推計で、食品製造が125万t・食品卸売業で13万t・食品小売業は62万t、外食産業が80万tの食品ロスを発生させています。
2.食品ロスの現状
ここからは日本と世界における、それぞれの食品ロスの現状をみていきます。
日本における食品ロスの現状
日本で食品ロスの推計が開始されたのは、2012年です。
この年の食品ロス量は642万t、うち家庭系食品ロス量が312万t、事業系食品ロス量が331万tでした。その後国内の食品ロス量は、微増微減を繰り返し2020年度には522万tまで減らすことができています。
世界規模で食品ロスに関する意識が高まりつつある中、2015年に国連総会において持続可能な開発のための2030アジェンダ(SDGs)が採択されました。
その中で、「2030年までに小売り・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食料の損失を減少させること」が、国際的な共有の目標として明確に示されています。
日本でも、このSDGsの目標を踏まえ2030年度までに食品ロス量を2000年度の半分まで減らすことが目標として策定されました。
世界における食品ロスの現状
世界では年間約40億tもの食料が生産されています。
しかしながら国連食糧農業機関(FAO)のデータによると、このうちの3分の1である約13億tもの食料が廃棄されています。
途上国では食品の保存環境や運搬技術が整備されていないことも多く、食品が消費者の手に届く前に廃棄せざるを得ないケースが多いといわれています。
一方、先進国では食品の保存や運搬技術は整備されているものの、大量流通や大量陳列から発生する売れ残りによる廃棄や、食品がいつでも手に入るという意識が食品ロスを発生させているといわれています。
3.食品ロスはなぜ問題なのか?
では、なぜ食品ロスが問題なのでしょうか。
大前提として、食べ物を粗末にしてはいけないという理由もありますが、それ以外にも下記のような理由があります。
- 環境の悪化につながる
- 食のバランスが崩れる
- 貧困がエスカレートする
- 経済的な損失が発生する
一つずつ説明します。
環境の悪化につながる
余った食べ物は、ゴミとして処分されます。
これらは処理工場に運ばれ可燃ゴミとして処分されますが、この過程で二酸化炭素を余分に排出してしまいます。
また焼却後の灰の埋め立ても環境負荷につながります。
大量の食品ロスを処分することは、地球温暖化につながります。
食のバランスが崩れる
世界で生産される食糧の総量は年間約40億tといわれ、世界の全人口を十分に賄える量だといわれています。
しかし実際は世界人口の約9人に1人が飢餓で苦しんでいる状態であり、発展途上国を中心に深刻な社会問題になっています。
発展途上国の食料不足の原因は保存や運搬技術が整備されていないことに加え、異常気象や戦争などさまざまな背景があります。
先進国からの食の搾取も食料不足を生み出してしまっている原因の一つです。
貧しい国から大量に食材を仕入れながらも、廃棄している現状は早急な是正が必要です。
また先進国内でも高級な食材を大量に購入し廃棄する家庭がある一方で、その日の食事にも困窮する家庭があるのも事実です。
貧困がエスカレートする
世界の人口は現在約80億人だといわれていますが、今後さらに増加が続き2050年には97億人に達するのではないかと予測されています。
食品ロスに関して何も対策をせずに今の状況が続けば、人口増加に伴い栄養不足で苦しむ人がますます増え、貧困に拍車がかかることは間違いないでしょう。
経済的な損失が発生する
食品を食べ残したり廃棄したりすることは、家計の無駄です。
1回のコストはわずかでも、積もり積もれば大きな損失につながります。
また自治体が一般廃棄物の処理を行うコストは、年間2兆円にも上ります。
このうち約半分が食品ロスに関わるものだともいわれ、その分、税金が無駄に使われていることになります。
もちろん食品を販売する企業の、経済的損失も少なくありません。
多くのコストや人件費をかけ生産・流通した製品が、まだ食べられるにも関わらず廃棄されてしまう。廃棄すれば廃棄コストがかかり、製品を作れば作るだけ損失が生まれてしまいます。
4.私たちにできること
ここからは食品ロスを減らすために、私たちにできることをご紹介します。
お店では手前の商品から取る
スーパーやコンビニなどのお店で食品を買うときは、手前の商品から取るようにしましょう。
お店では、賞味期限や消費期限が近いものから手前に置かれています。そのため、手前の商品から取ることで、賞味期限切れや消費期限切れの商品を減らせるのです。
食べられる量を把握する
食品ロスを減らすために家庭で出来ることの一つに、食べられる量の把握があります。家族が食べられる量を把握することで、食材の買いすぎや作りすぎを減らすことができ、結果、食品ロスを減らすことができます。
賞味、消費期限を意識する
食材には、賞味期限と消費期限があります。
賞味期限と消費期限を意識し、優先的に使う食材をベースに作る料理を決めましょう。それにより食材を無駄にすることなく、美味しく食べきることが可能になります。
長持ち保存方法を実践する
食材を購入してきたら、食材ごとに長持ちする保存方法を実践しましょう。
最も簡単に実践できるのが、冷凍保存です。肉は小分けにして冷凍すれば長く保存できます。野菜は洗って小分けにして、ボイルしてから冷凍すると調理も楽になるのでおすすめです。
また、保存するときは、ラップや保存袋に保存した日付を書いておきましょう。日付の古い順から使うことで、食品ロスを減らせます。
野菜の皮や葉の部分も無駄なく使う
野菜は、皮や葉の部分も食べられることが多いです。ついつい捨ててしまいがちな皮や葉の部分を無駄なく使うことで、食品ロスを減らせます。
たとえば、大根の皮や葉、にんじんの皮は、新鮮なうちに料理に使えば栄養価も期待できるでしょう。ブロッコリーの茎やキャベツの芯も、細かく刻めば料理に使えます。
普段捨てている皮や葉が使えないか今一度考え、野菜を無駄なく使うようにしてみましょう。
寄付を行う
家族が食べられる量を把握し、賞味・消費期限を意識したとしても、なお残ってしまう食品はフードバンクなどに寄付しましょう。
フードバンクは、まだ食べられるにも関わらず廃棄されてしまう食品などの寄付を受け付け、困窮した家庭や福祉施設に提供する取り組みを行っている団体です。
余った食品を提供することで食品ロスを減らすとともに、困窮した家庭や福祉施設をサポートすることにもつながります。
まとめ
今回は、食品ロスについてご紹介しました。
食品ロスを減らすために、今日から何ができるのか考えていただくきっかけとなれば幸いです。
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