動物愛護法とは?動物の命を守るために私たちが気を付けたいこと

動物愛護法とは?動物の命を守るために私たちが気を付けたいこと


動物への虐待や遺棄など、動物に関する悲しいニュースを目にすることは少なくありません。
日本では、そんな動物を守るため、動物愛護法という法律が定められています。

そこで本記事では、動物愛護法の内容と、動物の命を守るために私たちができることを紹介していきます。

 

動物愛護法とは

動物愛護法とは、「動物の愛護及び管理に関する法律」のことで、動物に対する虐待を防止するための法律です。
1973年に「動物の保護及び管理に関する法律」として制定され、2000年に名称と内容を変更したものが施行されました。

 

改正の流れ

動物愛護法は、1973年に制定後、以下のような改正が施行されてきました。

  • 1999年 名称変更、動物取扱業の規制、飼い主責任の徹底、虐待や遺棄に関わる罰    則の適用動物の拡大、罰則の強化など
  • 2005年 動物取扱業の規制強化、実験動物への配慮、特定動物の飼育規制の一律     化、罰則の強化など
  • 2012年 終生飼育の明文化、動物取扱業の規制強化、罰則の強化など
  • 2019年 飼育・保管等の基準、動物取扱業の適正飼育の強化、特定動物(危険動     物)に関する規制強化、マイクロチップ装着の義務化、罰則の強化など

このように、動物愛護法はさまざまな改正を重ねてきて現在の法律になっています。そこで、改正の歴史の中でも最新となる、2019年の改正点を見ていきましょう。

 

2019年の改正点

2019年、「動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律」が成立し、2022年までに施行することが義務付けられました。
改正の大きな目的は、動物取扱業の適正化と、動物の不適切な取り扱いへの対応強化です。

内容としては、動物を所有する者が守るべきことの明確化、動物取扱業が動物を正しく飼養するための促進や規制強化が挙げられます。
動物愛護管理センターの業務規定や、所有者不明の犬猫の引き取りを拒否できる規定など、都道府県等の措置の拡充も行われました。

また、犬猫販売業者に、マイクロチップ装着と情報登録も義務付けられています。

 

 

動物愛護法の内容

動物愛護法の内容は、以下のポイントに分けられます。

  • 基本原則
  • 動物愛護週間
  • 動物の飼い主等の責任
  • 動物の飼養及び保管等に関するガイドライン
  • 動物取扱業者の規制
  • 周辺の生活環境の保全
  • 危険な動物の飼養規制
  • 犬及び猫の引き取り等
  • 基本指針と推進計画
  • 動物愛護推進員と協議会
  • 罰則

それぞれ解説します。

 

基本原則

動物愛護法の基本原則は、すべての人が「動物は命あるもの」ということを理解し、動物を虐待することがないようにすることです。
また、人と動物が一緒に生きていけるような社会にするため、動物の習性を理解した上で正しく取り扱うようにさまざまな規定を定めています。

基本原則からわかるように、動物愛護法は、動物を愛護することだけでなく、人間と動物が共生できる社会づくりを目指した法律なのです。

 

動物愛護週間

動物愛護法では、毎年9月20日〜26日を動物愛護週間として定めています。
国民に動物愛護の理解や関心を深めてもらうことが目的です。

 

動物の飼い主等の責任

動物の飼い主は、動物の種類や習性に応じて、動物が健康に、そして安全に暮らせるように責任を果たさなければいけません。そして動物を守ると同時に、動物が人に危害を加えたり、迷惑をかけたりしないように防止する責任も生じます。

具体的には、次のことを行わなければいけません。

  • 不妊去勢手術
  • 感染症予防
  • 動物が自分の所有であることを明らかにするための措置

また、犬猫販売業者に対しては、マイクロチップの装着と所有者情報の登録が義務化されています。それと同時に、飼い主に対しても動物の所有を明らかにするためのマイクロチップによる所有明示の推進も進められています。

 

動物の飼養及び保管等に関するガイドライン

動物愛護法では、動物の飼養や保管に関するガイドラインが定められています。

動物は、家庭動物、展示動物、畜産動物、実験動物に分けられ、それぞれの動物の健康と安全や、人への危害や迷惑を防止するためのガイドラインが定められているのです。

 

動物取扱業者の規制

動物取扱業者の規制では、「取扱業者が動物を適正に取り扱うための基準」を設けています。取扱業者は基準に則り、都道府県知事か法令指定都市の長に登録を受けなければいけません。

登録を受けた取扱業者は、動物取扱責任者や都道府県知事などが行う研修会の受講を義務付けられています。正しい知識を身につけて動物を取り扱うことが定められているのです。

この規制によって、悪質な業者は登録を拒否されたり、登録の取り消し・業務停止命令を受ける可能性があります。

 

周辺の生活環境の保全

周辺の生活環境を守ることで、動物の不適正な飼養を防ぐ規定です。

動物を不適正に飼っていることで、周辺の生活環境が損なわれている事態が認められた場合は、飼い主に必要な措置を講じるための勧告や命令がなされます。

 

危険な動物の飼養規制

トラやクマ、ワニ、マムシなど、国が定めた約650種の危険動物は、ペットとして飼養してはいけません。

動物園や試験研究などで飼う場合、都道府県知事や政令指定都市の長の許可をとる必要があります。それと同時に、動物が脱出できない施設の設置や、事故防止対策、マイクロチップなどによる個体識別措置を行わなければいけません。

 

犬及び猫の引き取り等

都道府県や政令指定都市、中核市は、犬猫の引き取りを行わなければいけません。

また、道路や公園といった公共場所で見つかった負傷動物も引き取りを行います。

 

基本指針と推進計画

動物愛護法の施策を推進するため、環境大臣は基本指針を定めています。

都道府県は、基本指針に則ったうえで、各地域の実情にあわせて「動物愛護管理推進計画」を策定しなければなりません。

 

動物愛護推進員と協議会

都道府県知事は、動物の愛護と正しい飼養を推進するために、動物愛護推進員を外部に委託できます。
さらに、動物愛護推進員の活動を支援するための協議会を作ることも可能です。

 

罰則

動物を殺したり傷つけたりした場合、次の罰則が科せられます。

  • 愛護動物を殺したり傷つけたりした者
    5年以下の懲役または500万円以下の罰金
     
  • 愛護動物に餌や水を与えずに衰弱させるなどの虐待をした者
    1年以下の懲役または100万円以下の罰金
     
  • 愛護動物を遺棄した者
    1年以下の懲役または100万円以下の罰金

 

私たちが気を付けること

ペットを飼う上で、動物愛護法に従って、さまざまなことに気をつけなければいけません。その心構えを、福岡市がとても分かりやすく、10のチェックポイントとして公開しています。

  • 毎日散歩に連れて行く時間と体力はあるか
  • ペットを飼える家に住んでいるか
  • 家族みんなが動物を好きで、飼うことに賛成しているか
  • 家族の中に動物アレルギーの人はいないか
  • 転勤や引っ越しの可能性はないか
  • 1日数回ごはんをあげたり、トイレの処理をしたりするのを10年以上続けられるか
  • ごはん代、ワクチン代、治療費などを支払えるか
  • 正しいしつけができるか
  • ペットが高齢になったとき、きちんと介護できるか
  • 飼い主にもしものことがあったとき、代わりに飼育できる人はいるか

ペットを飼うということは、一つに命を育むことです。
毎日の散歩、ごはん、トイレの処理はもちろんのこと、家族みんなが動物を愛せること、近所の人に迷惑をかけないようなしつけをすることも大切になります。

また、ペットが高齢になったときや、飼い主にもしものことがあったときのことまで想定しなければなりません。

ペットを飼うときは、ペットが命尽きるときまで飼育することを覚悟し、責任をもって飼いましょう。

 

動物の命を守る方法

動物の命は、次のような方法でも守れます。

  • 動物愛護団体への寄付
  • 保護動物を飼う

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

動物愛護団体への寄付

動物愛護団体への現金寄付や物資寄付も、動物の命を守ることにつながります。

動物愛護団体とは、行き場を失った動物の引き取りや飼養、保管を行う団体のことです。

動物愛護団体は、動物のエサ代、日用品、医療費など、多くの資金を必要とします。そのため、現金寄付や物資寄付を募っている団体も多いです。

「ペットは飼えないけど動物の命を守りたい」という方は、動物愛護団体への寄付を検討してもよいでしょう。

 

保護動物を飼う

これからペットを飼おうとしている方は、保護動物を飼うことも一つの選択肢です。保護動物は、何らかの理由で保健所や動物愛護団体に引き取られた動物を指します。

保護動物を飼うには、保健所のほか、動物保護団体主催の譲渡会、里親募集サイトから飼う方法があります。
ただし、保護動物を飼うためには「きちんと飼養できるか」を判断するための条件が設定されているので注意しましょう。

動物愛護法を理解したうえで、ペットを飼って最後まで飼養をしたいと思っている方は、保護動物を飼うのも選択肢として検討してみてください。

 

まとめ

動物愛護法について解説しました。動物は決してモノではなく、私たち人と同じ命あるものです。

動物愛護法は、そんな動物と共に幸せに暮らしていくための法律です。

動物への虐待など悲しいニュースをこれ以上増やさないためには、動物愛護法を理解し、動物を守ることが大切です。これからペットを飼おうとしている方はもちろん、そうでない方も、動物愛護法への理解を深め、尊い命を守っていきましょう。
 

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