ヘアドネーションとは?その仕組みや方法を解説

ヘアドネーションとは?その仕組みや方法を解説


美容院で髪の毛をカットすると、カットした大量の髪の毛は捨てられることになります。しかし、その髪の毛を寄付することで、救われる人たちがいることをご存じでしょうか。

本記事では、髪の毛を寄付する「ヘアドネーション」の仕組みや方法を解説します。

 

ヘアドネーションとは

ヘアドネーションとは、医療用ウィッグ制作のために髪の毛を寄付することです。寄付した髪の毛は、病気やけがなどの影響で頭髪に悩みを抱える18歳以下の子どもたちに、医療用ウィッグとして無償で提供されます。

医療用ウィッグをひとつ作るには、約30〜50人のヘアドネーションが必要とされています。そのため、まだまだ手元に医療用ウィッグが届かない子どもたちも多く、より多くのヘアドネーションが必要なのが現状です。

 

医療用ウィッグの種類と特徴

医療用ウィッグは、次の3種類に分けられます。

  • 人毛
  • 人工毛
  • ミックス毛

人毛は、人の髪の毛をウィッグ用に特殊加工したものです。光沢やツヤが自然で、着用したときも馴染みやすいという特徴があります。耐久性に優れているため、カールなどのヘアアレンジも楽しめるでしょう。ただし、長持ちさせるためには、日々のお手入れやシャンプーが必須です。

人工毛は、人の髪の毛に似せて作られた化学繊維の毛材です。形状記憶の人工毛を選べば、簡単にヘアセットができます。その上、人毛よりもリーズナブルな価格なのが魅力です。ただし、人工毛は化学繊維でできているため、不自然なツヤが出ているものもあります。また、静電気が起こりやすいため、ブラッシングにはウィッグ専用のものが必要です。

ミックス毛は、人毛と人工毛がミックスされた毛材です。人毛のような自然なツヤがありながら、ヘアセットしやすいという特徴があります。価格も人毛よりは低価格なため、人毛と人工毛のいいとこどりをした毛材です。

ヘアドネーションでは、自然な仕上がりになる人毛でできた医療用ウィッグを、頭髪に悩みを抱える子どもたちに提供しています。

 

 

ヘアドネーションの方法

ここからは、実際のヘアドネーションの方法を見ていきましょう。

ヘアドネーションの条件は、次の2つです。

  • 31cm以上の長さがあること
  • 完全に乾いていること

ヘアドネーションを考えている方は、髪の毛の状態が条件に当てはまるかどうか確認してください。また、寄付する団体によっては、カラーやパーマ、ブリーチ毛でもOKな場合があります。

条件をクリアできたら、次の手順でヘアドネーションを進めていきます。

  1. ドネーションカットをする美容院を決める
  2. 寄付する髪の長さを決める
  3. ドネーションカットをする
  4. カットした髪の毛を一つの束にまとめる
  5. ヘアドネーション団体に髪の毛を送る

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

1.ドネーションカットをする美容院を決める

まずは、ドネーションカットをする美容院を決めましょう。

行きつけの美容院がある場合は、ドネーションカットができるかどうか聞いてみてください。

ドネーションカットは特殊なカット方法のため、美容師さんにカット方法や寄付の手順を確認してもらうと安心です。

万が一行きつけの美容院で対応してもらえなかった場合や、特に行きつけの美容院がないという方は、ヘアドネーション団体の賛同サロンでカットしてもらうのがおすすめです。

賛同サロンなら、ドネーションカットの方法を理解しているため、初めてヘアドネーションをする方でも安心して任せられるでしょう。

 

2.寄付する髪の長さを決める

次に、寄付する髪の長さを決めましょう。

前述したとおり、ヘアドネーションの条件は長さ31cm以上の髪の毛です。カット後のヘアスタイルも考えながら、どのくらいの長さの髪を寄付するか美容師さんと相談してください。

 

3.ドネーションカットをする

いよいよドネーションカットを行います。

ドネーションカットは、髪をいくつかの束に分けてゴムで固く結び、結び目から1cm上の部分をカットします。

このとき、髪が完全に乾いている必要があるため、事前にシャンプーをするのはやめましょう。ドライヤーで乾かしても髪の毛の内部は湿気ており、雑菌やカビが繁殖する原因になります。

 

4.カットした髪の毛を一つの束にまとめる

カットした髪の毛を、一つの束にまとめましょう。

まとめるときは、必ずゴムを使用してください。ヒモでまとめてしまうと、配送中に解けてしまう可能性があるからです。

また、友人と一緒に送る場合は、一人ずつ束にまとめて、髪の毛が混ざらないようにしてください。

 

5.ヘアドネーション団体に髪の毛を送る

寄付する髪の毛が用意できたら、ヘアドネーション団体に送ります。

団体によって必要な書類等が異なるため、事前に確認して不備なく送付しましょう。

 

 

ウィッグができるまで

ここからは、ヘアドネーションによってウィッグができるまでの流れを見ていきましょう。

 

1.カットされた髪がヘアドネーション団体に届く

ドネーションカットされた髪がヘアドネーション団体に届いたら、長さやカラー別に仕分けをしていきます。

仕分けができたら、髪と一緒に同封されているものを確認し、受領証を発送します。

また、ドナーの個人情報を適切に処理することも大切な工程です。

 

2.工場でトリートメント処理をする

仕分けした髪は工場に送られ、トリートメント処理されます。

トリートメント処理は、以下の工程で進められます。

  1. キューティクルを取り除く
  2. 髪を染める
  3. 髪をほぐして一定量で束ねる
  4. 脱水・乾燥
  5. 髪をとかして汚れやゴミを取り除く
  6. 髪の状態や長さで分けて検品する
  7. 髪を整えて細かい長さで分ける
  8. 髪を束ねる

トリートメント処理は、非常に手間をかけて進められます。トリートメント処理を行うことで、髪の毛が医療用ウィッグ用の素材へと生まれ変わるのです。

 

3.ウィッグメーカー工場で医療用ウィッグの製作

トリートメント処理が行われた髪は、ウィッグメーカー工場に送られ、医療用ウィッグが製作されます。

医療用ウィッグは、職人が手作業で髪を1本1本ネットに植え込んでいきます。

 

4.医療用ウィッグが子どもたちのもとに届く

製作された医療用ウィッグは、検品完了後に子どもたちのもとへと届きます。

届いたウィッグを好みのヘアスタイルにカットしたら、子どものための医療用ウィッグの完成です。

 

 

ヘアドネーションに取り組む団体

日本では現在、次の3つの団体がヘアドネーションに取り組んでいます。

  • NPO法人JHD&C
  • つな髪
  • NPO法人HERO

 それぞれの団体について詳しく見ていきましょう。

 

NPO法人JHD&C

NPO法人JHD&Cは、日本で初めてできたヘアドネーション団体です。

病気やけがなどの影響で頭髪に悩みを抱える18歳以下の子どもたちに、ヘアドネーションで作った医療用ウィッグを無償提供しています。

JHD&Cが提供するウィッグ「Onewig」は、経済産業省が定める厳しい基準をクリアした、JIS規格適合の小児用医療ウィッグです。

学校などの集団生活で使用することを前提としているため、自然に馴染みやすい黒髪で作られています。

参考:NPO法人JHD&C

 

つな髪

つな髪は、女性用ウィッグの会社である株式会社グローウィングのプロジェクトで、社会貢献活動の一部として行われています。

頭髪に悩みを抱える18歳以下の子どもたちに、医療用ウィッグを無償提供しています。

そんなつな髪ウィッグは、次の4種類から選べます。

  • ベース素材が頭皮に優しいオーガニックコットンのウィッグ
  • 脱毛状態に合わせて使用できる部分ウィッグ
  • 好きな帽子と組み合わせて使える髪付き帽子
  • リラックスしたいときにおすすめのルームウィッグ

ウィッグの専門会社のノウハウを生かして、頭髪のお悩みに合わせたウィッグを提供しているのが大きな特徴です。

参考:つな髪

 

NPO法人HERO

NPO法人HEROは、病気やけがなどによって頭髪に悩みを抱える18歳以下の子どもたちに、完全オーダーメイドの医療用ウィッグを無償で提供している団体です。

完全オーダーメイドのため、ウィッグを作る前に対象となるお子さまの頭の型取りを行い、髪の毛の密度やヘアスタイルを相談した上で制作に入ります。

さらに、ウィッグを被ったあとのスタイルカットも、賛同美容院にて無償で提供しているのです。

一人ひとりの子どもたちに似合う、世界に一つだけの医療用ウィッグを提供しているのが大きな魅力でしょう。

参考:NPO法人HERO

 

まとめ

ヘアドネーションの仕組みと方法を解説しました。病気やけがによって髪の毛を失ってしまった子どもたちは多く、それが原因で笑顔が減ってしまう子どもも少なくありません。

しかし、医療用ウィッグは高額であるため、治療費をかかえる家庭にとっては大きな負担となってしまいます。ヘアドネーションは、そんな頭髪の悩みを抱える子どもたちとその家族を笑顔にする活動です。

いつもだったら捨ててしまう髪の毛も、一人の子どもを笑顔に変えるかもしれません。この機会にぜひ、髪の毛を寄付してヘアドネーションに参加してみてはいかがでしょうか。

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