自分の得意分野やスキルを活かして活躍できる「プロボノ」とは?
自分の得意分野やスキルを活かして活躍できる「プロボノ」とは?
「自分の得意分野を活かして社会貢献活動がしたい」と考えている方には、ぜひプロボノをお薦めします。
プロボノとは、職業上のスキルや経験を活かして社会貢献活動に取り組むことであり、ラテン語の「公共善のために(Pro bono publico)」が語源だといわれています。
今回はプロボノについて、またプロボノとボランティアの違いやプロボノとして活動するメリットなどについて紹介します。
プロボノとは?
プロボノと聞くとプロのボランティアを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、職業によって培った専門スキルや経験・知識を活かし社会貢献活動をおこなう言葉として使われるのが一般的です。
アメリカでは法曹界など法律に関わる仕事に就いている人たちが、その知識を活用し長くボランティアをおこなってきた背景があります。そのため、プロボノはすでに一般的な言葉として認知されています。
日本でも、もともとは弁護士会など一部の人びとを中心にプロボノが行われていました。昨今、社会課題やソーシャル分野の興味・関心が高まったことにより、一般にもプロボノが徐々に広がり始めています。
プロボノとボランティの違い
プロボノもボランティア活動の一つですが、プロボノとボランティアの大きな違いは、職業で培ってきた専門スキルや知識・経験を活かせるか否かという点です。
通常のボランティア活動では、本人のスキルや経験が必要とされることはありません。
一方で、プロボノはスキルや経験など自分の専門性を活かすことができます。
例えば看護師を職業としている人が、福祉施設で絵本の読み聞かせボランティアをおこなう場合は、看護師としての専門スキルは必要ないためプロボノではなくボランティアです。
同じ人が自然災害などの被災地でケガの治療にあたる場合は、看護師としての専門性が求められますのでプロボノになります。
プロボノ活動に向いているスキルや経験をご紹介
現在もたくさんの人びとが、自分のスキルや経験を活かしプロボノをおこなっています。
プロボノをおこなうにあたって向いているスキルとしては、以下のようなものがあります。
- マーケティング
- 営業
- ITスキル
- デザイン
- プロジェクトマネジメント、など。
上述したスキルについて、街おこしボランティアを例に説明します。
街おこしをおこなう場合、その街の特色を活かした施策を考えたり新しく店舗を開いたりすることがあります。そのようなときに、マーケティングの知識が活かせます。
地域の人たちに協力を求める際には、営業で培った交渉力やコミュニケーション力が役にたつでしょう。
活動を周知するWebサイトの制作や、活動資金を集めるクラウドファンディングを立ち上げるときはITスキルがあるとスムーズです。またデザインの知識をもつ人がいれば、より魅力的なWebサイトが制作できます。
これらの活動をプロジェクトとしてマネジメントする人がいれば、全員が同じ方向を見て作業することが可能になります。そのため、プロジェクトマネジメントの経験をもつ人がいれば、より効率的に取り組めるでしょう。
もちろんプロボノでは上述したスキル以外にも、通訳や看護師、介護士、教員などさまざまな専門スキルや知識・経験が活かせます。
プロボノ活動のメリット
ここからは、プロボノのメリットについて紹介します。
プロボノをおこなうメリットには、以下のようなものがあります。
- 自分のスキルを再認識できる
- キャリアアップにつながる
- 人脈が広がる
- 達成感が味わえる
一つずつ説明します。
自分のスキルを再認識できる。
本来の仕事では、所属する会社のネームバリューを背負っています。
プロボノは所属する会社や役職など肩書のない、その人個人の活動になるため本来の自分のスキルを再認識できる機会になります。
そのため、自分では意識することのなかった意外な得意・不得意が分かることもあります。
キャリアアップにつながる
プロボノでは自分のスキルや知識・経験を活かすだけでなく、本来の仕事であればおこなうことのない複数の業務に取り組むこともあります。
また本来の仕事であれば関わることのないような人たちと一緒にプロボノをおこなうことで、新たな気付きや学びを得たり視野が広がったりしたと語る経験者も多く、プロボノをきっかけに自分のキャリアの再構築を検討する人もいます。
人脈が広がる
上述したようにプロボノでは、本来の仕事だけでは関わることのないような人たちと、一緒に業務に取り組むことがあります。
年齢はもちろん性別、経験、国籍などが異なる多様な人々と触れ合うことにより、新たな価値観が育まれます。
また上下関係のないフラットな関わりになることも多く、コミュニケーションがとりやすく人脈が広がります。
達成感が味わえる
組織に所属していると暗黙の了解やしがらみがあり、思い通りに進まないことがあります。
プロボノであればゼロから関わることが多く、やってみたいと考えたアイデアをそのまま活かすことができ達成感や充実感が味わえます。
また社会貢献に携わることで、本来の業務とは違ったやりがいを感じます。
プロボノをおこなう際の注意点
取り組むメリットの多いプロボノですが実際におこなうにあたって、下記のような注意点があります。
- 体力的に厳しい
- 時間の制約がある
- モチベーションが維持しにくい
詳しく説明します。
体力的に厳しい
本来の仕事をおこないながらプロボノ活動をする場合、気がつかないうちにオーバーワークになってしまうなど、体力的に負担になることがあります。
そうならないようにコントロールしながらの活動もできますが、その場合には局所的な関わりになってしまうことがあります。
時間の制約がある
自分の時間でおこなえる単発などの募集が多いボランティア活動とは異なり、プロボノは一定労働時間の確保が求められることが多いです。
ときには納期が決まっている活動もあり、それに向けての対応を余儀なくされるなど時間の制約を受けます。
モチベーションが維持しにくい
プロボノは、基本的に無償での奉仕活動です。
賃金をもらうことに重きをおいている人には、モチベーションを維持し続けることが難しいでしょう。
まとめ
プロボノは職業によって培った専門スキルや経験・知識を活かし、社会貢献をおこなう活動です。
自分のスキルを再認識しキャリアアップにつなげたり、人脈を広げたりできる大きなメリットがあります。
一方で、注意すべき点があることも事実です。もちろん何か行動をおこす際には、必ずメリットとデメリットがあります。
自分の得意を活かし何か社会に貢献したいと考えている方がいらっしゃれば、事前の下調べを徹底するなどをしたうえでプロボノを検討してみてはいかがでしょうか。
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