寄付金は何に使われている?使い道を知る方法を紹介

寄付金は何に使われている?使い道を知る方法を紹介


「寄付は世のため人のため」    
表面では綺麗な言葉を並べるだけで、本当は自己利益のためなのでは?と不安感を持つ方も多いのではないでしょうか。  
2020年に内閣府が調査したデータによると、NPO(民間非営利団体)、NGO(非政府組織)を含む国内の寄付団体数は「5万以上」と言われています。  
数多くの団体の中には、その活動内容がよく分からない団体が存在するのも事実です。せっかく寄付をするのなら有効な支援となるよう、寄付の本質をあらためて理解しておくべきでしょう。  
今回は、寄付や募金をする上で一番知っておいていただきたい「寄付金の使われ方」をご紹介します。  
私たちモノドネは、社会問題解決への参加として、寄付を考えるすべての方に「少しでも意味のある寄付をしてもらえたら・・・」と、日々、団体様を紹介しています。


 

目次

  1. 寄付金の使い道  
    ・事業費  
    ・管理費  
     
  2. 寄付金額とその流れを知る方法  
     
  3. ふるさと納税の使われ方

 

 

1.寄付金の使い道

寄付金の使い道は団体によってさまざまですが、大きく分けて「事業費」と「管理費」の2つです。  
 

事業費

事業費とは、その法人が目的とする事業を行うために、直接必要とする人件費や、チラシやポスターの印刷費、講師への謝金、会場の賃貸料など、明らかに事業に関する経費として特定できる費用のことです。その活動には例えば以下のものがあります。

  • 子供たちの支援
  • 災害救援支援
  • 高齢者や障がい者の支援
  • 物資や義援金の支給  
     

・子供たちの支援  
世界には、両親を亡くしたなどの理由で心身的に苦しむ子供が多く存在します。ときには経済的な理由から進学さえもあきらめざるをえない状況です。  
例えば民間非営利団体のあしなが育英会では、国内の恵まれない子どもたちの「奨学金や教育」の支援、「心のケア」で支える活動をします。あしなが育英会は日々の活動内容を細かく紹介する団体としても有名です。


・災害救援支援  
1995年の「阪神淡路大震災」、2004年の中越地震、2011年の東日本大震災。忘れたくても忘れられないのが現実でしょう。    
ほかにも大きな地震や津波、台風、水害によって、住む場所を失った人が大勢います。  
今もなお多くのNPO団体では、被災地の復興に向けて、土砂やがれきの撤去、食器の洗浄、精神的ケアでサポートし続けています。


・高齢者や障がい者の支援  
高齢者や障がい者においては、必要最低限の生活援助でさえ必要とする人も多いです。2021年の総務省統計局のデータによれば、65歳以上の高齢者は3640万人と過去最多。  
また障がい者においては、2005年から2018年までの12年間で「約300万人」増加しました(内閣府データ)。  
1人でも地域で暮らしていけるよう、NPO法人やNGOが支援しています。  


・物資や支援金の支給  
被災者に対しては、物資や義援金を直接届けることも多いです。義援金の受付窓口は、赤い羽根共同募金、日本赤十字社、政府が一般的でしょう。  
手元に届くまで少し時間はかかりますが、「被災者のために確実に使われる」利点があります。

 

管理費

管理費は、その法人の各種事業を管理するための費用です。  
NPO法人の管理部門には、①総会や理事会といった法人の組織運営、意思決定業務、②広報、外部報告業務、③ファンドレイジング業務、④経理業務、⑤人事労務業務、⑥監査業務、があります。  
これらの管理部門の業務を行うために要した費用が管理費です。  
「非営利組織」と聞くと、そこで働く全ての人がボランティア=無給である、あるいは、そうであるべきと考える風潮があります。  
しかし、それでは実は健全な活動を継続することは不可能なのです。なぜなら、ボランティアとは「その時」「その場」で集められることが多く、ボランティアを「束ねる」「指示を出す」役割が必ず必要となります。そして、この役割をこなすには、その活動に深く精通し、経験を積み、正しい判断のもとに決断する能力が必要とされ、且つそれらが継続されるように人を育てる能力も必要です。  
つまり、「健全な活動を継続して行う」組織には企業で言えば「社員」に当たる役割が必要不可欠なのです。  
どんな企業でもそこで働く社員の生活を保障することは命題と言えます。保障されているからこそ、仕事に専念し、精通し、新たな事業を展開し、後輩を育て、その結果会社は継続し発展します。  
非営利組織も同じです。管理費は「健全な活動を継続して行う組織」のために必要不可欠なのです。

 

 

2.寄付金額とその流れを知る方法

非営利法人の寄付金の使い道には「事業費」と「管理費」があると解説しました。そこで、集まった寄付金がどんなことに、いくら使われているのか、もっと具体的に知りたいニーズも多いと思います。  
そこで重要となるのが「会計報告」です。

 

会計報告とは

NPO法人の会計報告は、2010年に作られた「NPO法人会計基準」に基づいて作成します。会計報告には、おもに事業報告書、活動決算書、貸借対照表などが存在します。  
特徴は、私たち一般市民でも「活動の実態」「お金の使い道」などが理解しやすいよう工夫が施されている点です。毎年、各NPO法人がホームページで公表する会計報告を見れば、何にどれくらいお金が使われているかを知ることが可能です。  
また会計帳簿は「すべて統一した記載方法」となっていますので、NPO法人の会計を比較するときにも役立ちます。

 

会計報告の具体的な内容

ここでは会計報告の内容を、もう少し具体的に見ていきましょう。とくに重要視したいのが、次の3つです。

  1. 活動内容や実績を知る「事業報告書」
  2. 活動費や規模を知る「活動計算書」
  3. お金の使い道を具体的に知る「貸借対照表」  
     

1.活動内容や実績を知る「事業報告書」  
NPO法人の活動内容・活動実績を知りたい場合は「事業報告書」を確認しましょう。事業報告書には、その法人が「実施した取り組みの内容とその成果」「活動日時や場所、回数」「対象とする受益者の人数」「取り組みに使用した金額」などが記載されています。  
法人が掲げるビジョンを下に、課題解決のために活動しているのか知る事ができます。なお、事業報告書に書かれる内容は、毎年「4月1日〜3月31日」までの活動が対象です。


2.活動費や規模を知る「活動計算書」  
NPO法人が活動に使ったお金、活動規模を知りたい場合は「活動計算書」を確認しましょう。活動計算書は営利企業における損益計算書に相当し、その法人がどれぐらいの寄付を集めたのか、どんなことに寄付金を使ったのか知ることができます。  
活動計算書においては、「経常費用」「経常収益」「経常費用計」が重要です。  

【経常費用】  
経常費用は、一つ目の寄付金の使われ方で紹介した「事業費」「管理費」に分けられます。  
・事業費  
その団体が事業に使っている費用を指します。たとえば事業に必要なスタッフの人件費、ポスターや  
チラシの印刷費などです。また事務所の賃借料、水道光熱費などもこれに該当します。  
・管理費  
その団体が管理に使っている費用を指します。たとえば総会や理事会などの開催費、ホームページの運用などです。また、管理費の割合が高い場合は、管理業務を委託しているケースも考えられます(給料や福利厚生といった経理業務、など)。  
参考までに、事業費や管理費にて人件費が「0」と記載されているケースもあります。これはボランティアのみで構成されるNPOによく見られます。  

【経常収益】  
経常収益は、活動から生じる収益です。当然ながら、事業・活動の継続には資金調達が必要となります。経常収益を見れば、どのようなお金で活動をおこなっているのか把握できます。  
経常収益はおもに次の5つです。

 

  • 会費
  • 寄付金
  • 助成金
  • 事業収益
  • そのほか収益  
     

各収益は、団体の活動やその時期によって異なります。専門家だけで構成する「会費が極端に多い団体」や、「今期はたまたま助成金が多い」などのケースもあります。

 

【経常費用計】  
経常費用計は、経常費用の事業費・管理費を合計したものです。これまでの紹介した、人件費や経費などをすべて含みます。つまりこの経常費用計を見れば、その法人が「どれくらいの活動規模なのか」がおおよそ把握できます。

活動計算書には当期正味財産増減額、前記繰越正味財産額、次期繰越正味財産額が記載されています。正味財産とは「資産から負債を差し引いた金額」です。活動費が収益を上回れば、もちろん負債となります。  

・当期正味財産増減額  
その年の収益から、その年に使った活動費用を引いた残金です。  
企業会計では利益にあたる部分です。企業が利益を目的とするならば、NPOは活動を目的とします。しかしNPOも利益がなければ、人を雇って給料を支払うことや、事務所の家賃等を支払うことができません。法人としての継続が厳しくなります。よってNPOの利益(当期正味財産増減額)は、法人の継続力を計るための一つの目安と言えます。もちろん中にはボランティア中心のNPOも存在しますので、参考程度としてください。  

・前期繰越正味財産額  
前年度から繰り越しされた正味財産額です。  

・次期繰越正味財産額  
来年度に繰り越す正味財産額です。この数値がプラスであれば、来年度の活動をその年の収益だけに頼らず実施することができます。  
「事業報告書」に記載されている活動には、毎年継続して行われる活動があります。そのための資金を当期の収益だけに頼っていては、安定した活動は行えません。その法人が継続して活動できる体制かどうかをここで知ることができます。

先ほどの活動計算書と合わせた基本計算は次のとおりです。

経常収益−経常費用=当期正味財産増減額  
当期正味財産増減額+前期繰越正味財産=次期繰越正味財産

次期繰越正味財産は、NPO法人の「現預金」と「資産」の合計額です。具体的に内訳を知る方法があります。それが「貸借対照表」です。

 

3.お金の流れを具体的に知る「貸借対照表」  
NPO法人内のお金の流れ、活動規模などを知りたい場合は「貸借対照表」を確認しましょう。貸借対照表では、その法人が持つ資産と負債の割合を知ることができます。  
貸借対照表には、資産の部・負債の部があります。  
資産の部では「流動資産と固定資産」、負債の部では「流動負債と固定負債」に分けられま  
す。「流動」や「固定」と聞いてもピンと来ないと思いますが、ここでは例を用いて端的にまとめておきます。  
流動・・・1年以内のうちにお金に変えられる資産。預金、未収金、棚卸資産など  
固定・・・1年を超えてお金に変えられる資産。不動産(建物、土地)、什器や備品など  
ほかにも国から助成金を受け取り、使い切れていない場合は流動資産に。会員へ配布する冊子などは固定資産となります。  
NPO法人会計基準協議会のホームページでは、サンプルを用いた「活動計算書と貸借対照表の記載例」を公開しています。ぜひ皆さんが寄付を検討中するNPOの「活動計算書」や「貸借対照表」と照らし合わせてみてください。

 

 

会計報告書、事業報告書の確認方法

「100%」とはいかなくても、ここまでで会計報告書や事業報告書を見ることで、その法人がどのようにお金を使っているのか、全体像はわかっていただけたと思います。  
一方で、下記のような疑問も出てくるでしょう。

  • どこから会計報告書や活動報告書を確認すればいいの?
  • 団体の活動や事業を「活動報告書以外」で知る方法は?

じつは団体の決算書や活動報告は、誰でもかんたんに確認できる仕組みとなっています。ここでは、寄付先を選ぶときにも重要となる法人の公式「ホームページ」と「SNS」での見方、内閣府ホームページでの確認方法をご紹介します。

 

会計報告書や活動報告書はホームページで見られる  
会計報告書や活動報告書は、法人の公式ホームページから確認できます。  
トップページを一番下まで辿っていくと、詳細なサイトメニューが表示されており、その中に「会計報告」あるいは「団体概要」といった項目があります。法人によっては、トップページ上部に掲載しているホームページもあります。どちらにしても、この「会計報告」あるいは「団体概要」ページ内で、事業報告書、活動決算書を見ることができます。グラフなどを使って具体的に使い道や活動を公開している団体は、信用性も高いと言えます。  
会計報告がない、または見つけにくい法人は寄付を検討したほうが良いかもしれません。


SNS、ニュース、などから活動記録を知る  
法人の活動記録をSNS、ニュース、ブログなどから知ることもできます。とくに昨今では、ツイッターやインスタグラムなどのSNSを活用する団体も数多くあります。たとえばSNSでは、活動の近況報告、他の団体や企業による寄付・寄贈の実績などを公開しています。  
またインターネットで公開されているニュースやブログ等から、「寄付の実績」「国からの助成実績」などを調べることもできます。インターネット上の記事は、政府が関わるもの(内閣府・各自治体など)、大手企業のメディア(東洋経済など)を参考にするのがおすすめです。一次情報が多く、データや数字に対して信頼性が高いためです。


 【内閣府ホームページでの確認方法】  
内閣府ホームページでも、NPO法人の事業報告書、活動決算書を閲覧することができます。  
ただし、こちらのページでは税額控除対象法人のみが掲載されており、対象外の法人については掲載されていません。  
対象外の法人の資料を閲覧したい場合は、先に紹介した法人公式ページをご覧になるか、法人まで問い合わせることをお勧めします。  
≫内閣府ホームページ https://www.npo-homepage.go.jp/npoportal/certification

 

 ここまでのおさらい

  • NPO法人では、事業報告書、活動決算書、貸借対照表の公表が義務づけられている
  • 具体的な活動実績は「事業報告書」、お金に関する情報は「活動決算書」「貸借対照表」を確認
  • それぞれの書類は、各団体のホームページから確認できる。また、公表しない場合は寄付を再検討する  

     

決算書・活動報告書から寄付金の使い道などを理解しておけば、より納得のいく寄付が行なえるようになります。  
 

 

 

3.ふるさと納税の使い道

「節税のため」「行事」などの理由から、ふるさと納税を活用する方も少なくないでしょう。ふるさと納税とは自治体への寄付です。応援したい自治体へ寄付することで税金の控除が受けられて、自治体によってはお礼品がもらえます。  
一方で、寄付したお金は何に使われているのかあまり気にしたことがないのも事実。


NPO法人、NGO法人と同じ  
ふるさと納税で寄付されたお金は、これまで紹介した「被災地の復興」「NPO団体への支援」「生活難民の保護」等に役立てられます。自治体はホームページ上で使い道を報告しています。これまでのふるさと納税をどのように利用したのか、その報告を読んでから寄付する自治体を選ぶのもお勧めです。  
ふるさと納税は、一般の寄付と違い税金控除やお礼品の受け取りといった待遇が受けられることから、2020年の利用者数は2015年の4.8倍以上にまで増えています。しかしそのお礼品が問題となり、法改正に至るなど課題も抱えています。  
一方で、お礼品の無い募集、自治体同士の支援、お礼の品による更なる社会貢献など、これまでのふるさと納税とは姿を変えつつあり、日本の寄付文化醸成の一翼を担うのではと期待も持てます。

支援のきっかけ、方法はさまざまです。ぜひご自身で「この内容なら寄付してもいい」と感じた団体、自治体を選んでみましょう。  
モノドネでも、「モノで寄付をしてみたい」と考える方と一緒に社会貢献へ取り組んでいます。

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