虐待防止のために、私たちにできることは?

虐待防止のために、私たちにできることは?

 

「もしみなさんの身近なひとや子どもが虐待・DVを受けているとしたら」

2021年、厚生労働省が公表した「暴力問題に関する統計データ」によると、全国の児童相談所にて受けた「児童虐待相談の件数」は20万5029件。前年度よりも5.8%増加し、過去最多の相談数となりました。

またDVに関しても、2020年の相談件数は182,188件、前年比で約1.5倍もの数値となっています。

なぜ虐待やDVといった暴力行為は起き、一向になくならないのか。これまで暴力を受けた経験のない人からすれば、疑問だけが浮かんでしまいますよね。

今回のモノドネでは、日本の虐待・DVの現状・起きてしまう理由から、暴力問題の解決に取り組む団体・私たちができる活動まで詳しく紹介していきます。

 

日本における「児童虐待」の現状

日本における児童虐待は、次の4つに分けられます。

  • 殴る・蹴るといった「身体的虐待」
  • 言葉による脅しや無視といった「心理的虐待」
  • 家に閉じ込める・食事を与えないといった「ネグレクト」
  • 子どもへの性的行為などの「性的虐待」

これらの虐待に関する児童相談所への相談件数は、令和3年度時点で年間20万7,659件にも上りました。前年度の令和2年度よりも2,615件増加し、過去最多となっています。

相談内容別の件数は、以下のとおりです。

  • 心理的虐待 12万4,722件(60.1%)
  • 身体的虐待 4万9,238件(23.7%)
  • ネグレクト 3万1,452件(15.1%)
  • 性的虐待 2,247件(1.1%)

相談内容でも半数以上を占め、虐待の中でも近年増加しているのが「心理的虐待」です。
心理的虐待やネグレクトは、「目に見えない虐待」とも言われており、核家族化や共働き、ひとり親家庭といった社会問題が背景とされています。


また、令和2年度に虐待によって亡くなった子どもは、表面化しているだけでも77人います。
つまり、1週間のうちに1人以上の子どもが、虐待によって亡くなっているのです。

さらに、亡くなった子どものうち、65.3%が0歳児であることもわかっています。まだ自分の身を守れない小さな赤ちゃんが、虐待の被害に遭っているのです。

ニュースで知ることの多い虐待ですが、虐待は私たちの身近なところで起こっていることがわかります。
 


子どもへの虐待とは

では実際に、どのような暴力が虐待として扱われるのでしょうか。  
同じく法律では、虐待として認められる行為も定められています。


身体的虐待  

身体的虐待とは「殴る、蹴る、叩く、やけどを負わせる」などの暴力で、虐待全体の約31%を占めます。


心理的虐待  

身体的虐待とは、「言葉で脅す、存在を無視、きょうだい間の差別」などの行為で、虐待全体の約27 %を占めます。
2020年のコロナ禍で「外出自粛要請が出ていた期間」では、この「身体的虐待」「心理的虐待」がとくに多い1年となりました。


ネグレクト  

「ネグレクト」という言葉を初めて聞いた方も、少なくないと思います。  
ネグレクトとは、たとえば「食事をあたえない、不潔なままにする、病気を医者にみせない、学校にいかせない」などの行為です。

ある報告書では、歯科受けた虫歯だらけの子どもから、保健センターがネグレクトと診断されました。虫歯の状態は著しくひどく、歯肉炎まで合併していました。

保護者は、当該の子どもに対して「食事、入浴、歯磨き」などの生活状況全般を、放置に近い状態で見過ごしていたのです。
最終的に保護者へは悩み相談をするなどの支援がおこなわれ、子どもの虫歯も完治しました。

ネグレクトは年々目立ちつつある、児童虐待行為です。  
2021年のネグレクトに対する相談件数は3万1420件で、全体の「約15.3%」を占めています。


性的虐待  

性的虐待とは「ポルノなどの被写体、性的行為、性関係の強要」です。  
相談件数はほかの虐待と比べて少ない傾向ですが、性的虐待だと気づいていない、または話しづらい・相談しにくいと感じる児童や子どもも存在します。

 

 

日本における「DV」の現状

DVとは、ドメスティック・バイオレンスの略です。  
法律で明確な定義はありませんが、日本では「配偶者(夫、妻)や恋人などの親密な関係にある(あった)者から振るわれる暴力」を言います。

DVは、2021年に過去最高件数を記録しています。


DVに関わる暴力の種類

DVにも、身体的暴力、精神的暴力、性的暴力があり、ほかにも経済的暴力、社会的暴力が存在します。

身体的暴力(DV)殴る、蹴る、平手を打つ、刃物を突きつける、髪を引っ張るなど
精神的暴力(DV)発言権を与えない、無視、見下した言動、交友関係を監視し、口出しをする
性的暴力(DV)嫌がる相手に性行為を「一方的に要求」する、ポルノ強要、避妊具の使用を拒否
経済的暴力生活費を渡さない、パートナーに収入を開示しない、貯金を勝手に使用する、借金を重ねる
社会的暴力家族や友人との付き合いを制限させる、外出の禁止、プライベート領域(電話、メールなど)まで把握する


またDVには以下のようなサイクルがあると言われています。

A 爆発期(激しく暴力を振るわれる時期)
B ハネムーン期(加害者に優しくしたり、謝ったりする時期)
C 蓄積期(相手の顔色や行動をうかがう時期)


 

虐待・DVはなぜ起きる?

虐待やDVが起きる理由は、家庭環境・経済的な問題・親子の孤立・過去の自分との照らし合わせなど、さまざまです。

 

家族間のストレス

ひとつに、環境・状況の変化から虐待やDVにつながることが考えられます。

昨今では、コロナ禍によりおうち時間やテレワークが増えたことで「以前よりもストレスを感じるようになった」と答えるひとが急増。仕事と同時に家事をこなさなければならず、パニック状態に陥り、つい子どもやパートナーに手を出してしまいがちなのです。

もちろん手を出すことすべてが虐待やDVとは限りませんが、身近に思い当たる節があれば、それは前兆かもしれません。

 

住居・経済的な問題

家庭や仕事による経済的な問題から、暴力に発展するケースもあります。 
たとえば会社のリストラ、ギャンブルなどによる借金、人間関係など。

パートナーに問い詰めると、怒りを顕にして蹴る・殴る、または言葉で暴力を振るうようになります。受ける側は、身体的・精神的どちらも傷を負い、うつに繋がることもあるでしょう。

うつは気分障害のひとつです。一日中気分が落ち込んだり、何をやっても楽しめない状態です。うつは「子どもへの虐待につながる」原因でもあり、虐待とDVが同じ家庭内でおきることも珍しくないのです。

 

過去、自分が虐待されていた

子どものころの自分が虐待をうけていると、我が子に同じような虐待的暴力をおこなう傾向も強くあります。 
しつけと思っていたことが、子どもにとっては虐待と感じてしまうのです。

初めての子育てをする母親の中には、「虐待としつけの境界線引き」で悩みNPOや保険センターに相談を持ちかけるケースも少なくありません。

 

 

虐待をする親は、助けを求めている

虐待された子どもと同じく、暴力を振るってしまう親・シングルマザーもまた、助けを求めています。

「今まで暴力なんてしたことがないのに」 
環境の変化によって蓄積されるストレス・憂うつから、無意識のうちに感情を我が子にぶつけてしまうという事例も増えています。

ひとりで抱え込まず、SNS(ツイッターなど)や団体に話を聞いてもらい、すこしでも気持ちをラクにさせることが大切なのです。

 

 

虐待やDVに悩む子どもや女性、シングルマザーを支援する団体

モノドネには、虐待やDVに悩む子どもや女性、シングルマザーを支援する団体も紹介しています。

団体名活動内容・寄付金の使いみち紹介URL
認定NPO法人 フローレンス
  • 病児保育・ひとり親家庭の親子支援
  • 障害児保育
  • 赤ちゃん縁組
  • こども宅食
https://monodone.com/detail/19/
認定NPO法人 オリーブの家
  • 保護シェルター利用者のための食料・生活用品の支援
  • 貧困ひとり親家庭の子どもの学用品・学習支援
https://monodone.com/detail/16/
公益財団法人 名古屋YMCA
  • 外国にルーツを持つ子どものための支援
  • DV被害者のための無料カウンセリング
https://monodone.com/detail/6/
認定NPO (名古屋)CAPNA
  • 虐待・DVに関するカウンセリング「CAPNAホットライン(電話)&メール相談」
  • DV被害者のためのシェルター
  • あらゆる暴力をなくすために〜研修会の開催〜
https://monodone.com/detail/1/

 

 

助けを求める子ども、女性のために私たちができること

個人でも、虐待防止のためにできることがあります。

まずは、子ども虐待について学びましょう。
特に虐待としつけの間には、線引きがしづらいグレーゾーンがあります。

福祉や保健関係者、精神科医、小児科医は「子どもが耐え難い苦痛を感じることがあれば、それは虐待だと考えるべきだ」と言います。過激な教育や厳しいしつけによって、子どもの心や体の発達が阻害されるほどであれば、それは虐待と捉えるべきでしょう。

虐待について、正しい知識を得ることで行動できることがあります。

街中で困っている親子に声をかけるのも、私たちにできることの一つです。
子どもに対して手をあげたり、暴言をはいたりする虐待は親のストレスが要因だと言われます。

ベビーカーで階段を使えず右往左往していたり、子どもが泣き止まず困っていたりする親子がいたら「何か手伝いましょうか」など声をかけてみてください。親の気持ちが楽になり、ストレスが少しであっても軽減されます。

また近所に子どもがいる家庭があれば、積極的に声かけや挨拶をしてみましょう。顔見知りになり、「困ったことがあれば声をかけて」とサポートする姿勢を見せることで親は孤独感から解放されます。

親に外部とのつながりを感じてもらうことで、虐待を防いだりやめさせたりすることができます。

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