寄附金控除のための確定申告手順

寄附金控除のための確定申告手順

 

国が指定した自治体や NPO に寄附した場合、税制優遇の適用を受けることが可能です。
税制優遇とは、寄付した金額や所得に応じて、税務署から税金が還付される制度です。寄附金控除とも言いますが、昨今ではこの税制優遇を目的にふるさと納税などで自治体に寄附する方も増えてきました。 一方で寄附金控除を受けるには、基本的に確定申告が必要です。

「確定申告ってなんだか難しそう」
「書類はどうやって用意するの?」 
「税務署に行かないといけないの?」など

フリーランス、事業者なら申告手順も理解していますが、普段から確定申告に関わらないサラリーマンや主婦の方の中には上記のような疑問を持たれる方も少なくないと思います。 
そこで今回のモノドネでは、寄附金控除を対象にした確定申告の手順を詳しくガイドします。 
もし寄附金控除制度の仕組みって何?という方は、過去記事の「寄附金控除って何?仕組みを詳しく解説」も併せて一読ください。
https://monodone.com/article/23

 

 

寄附金控除の確定申告とは?

寄附金控除を受けるための確定申告と前述しましたが、手順は一般的な確定申告とほとんど変わりません。一つずつ確実に進めていきましょう。
初めに確定申告についてです。 
確定申告とは「年間の収入や支出を計算し、所得税の金額を計算する手続き」です。確定申告には白色申告(確定申告書 A)と青色申告(確定申告書 B)があり、どちらも寄附金控除による確定申告で利用できます。

白色申告と青色申告には、届け出・記帳の必要性、特別控除の有無などさまざまな違いがあり、自身の状況に合わせて使い分ける必要があります。端的にいうと、サラリーマンや年金受給者の方は A、 個人事業主や不動産所得がある方は B で申告しましょう。

青色申告は、これまでに白色で確定申告された方が「青色申告承認申請書」を提出し、承認を受ける必要があります。青色には 10 万円・55 万円の特別控除を受けられるなどのメリットはありますが、少しだけ帳簿が白色よりも細かくなります。
たとえば事業者でも副業でも、次のような方は簡略された「白色申告」が向いていると言えるでしょう。

  • これまで経理の経験がない
  • フリーランスでも収入が少ない
  • 副業での収入が少ない
  • 経費の金額が極めて少ない、など

A、B どちらの申告書も 2 枚セット(第一表・第二表)になっており、合わせて提出します。

 

 

寄附金控除を受けるための確定申告の手順

寄附金控除の対象条件

寄附金控除が受けられるのは、特定寄附金とされているもののみです。手順の前に、特定寄附金であることを確認しましょう。
特定寄附金には、以下のものが該当します。

  • 国、地方公共団体への寄附金
  • 公益社団法人、公益財団法人等への寄附金
  • 独立行政法人、地方独立行政法人への寄附金
  • 自動車安全センター、日本司法支援センター、日本私立学校振興・共済事業団、日本赤十字社への寄附金
  • 学校法人への寄附金
  • 社会福祉法人、更生保護法人への寄附金
  • 特定公益増進法人への寄附金
  • 特定公益信託の信託財産とするために支出した金銭
  • 認定NPO法人等への寄附金
  • 政治活動に関する寄附金
  • 特定新規中小会社が発行する株式を取得するために支払った金銭

上記のいずれかに寄附をしている場合は、寄附金控除の対象になります。宗教団体や海外の各種団体への寄附金は、寄附金控除の対象にならないことが多いため、注意しましょう。

また、寄附金控除の対象の中でも、次の3つは寄附金特別控除を適用可能です。

  • 公益社団法人や公益財団法人への寄附金
  • 学校法人への寄附金
  • 政治活動に関する寄附金
  • 認定NPO法人等への寄附金

申請内容にもよりますが、寄附金特別控除は寄附金控除よりも節税効果が高いことがあります。
確定申告で寄附金控除をするときは、寄附金特別控除が適用されないかどうかも併せて確認しましょう。

寄付金控除制度を受けるための確定申告の手順は次のとおりです。

  1. 必要書類を揃える
  2. 申告期限までに送付する

 

控除を受けるための「必要書類」を揃える

最初のステップとして、寄附金控除の確定申告で必要となる書類を取り揃えましょう。必要書類は大きく 3 つです。

  • 寄附先が発行した寄附金の受領書または領収書
  • 必要事項がすべて記入された申告書
  • 公の機関が発行した身分の証明できる書類
     

寄附金の受領書、領収書
自治体や NPO に寄附すると、受領書(または領収書)が発行されます。受領書とは「受取人が受領した旨を証明するために発行するもの」です。寄附控除の確定申告ではどちらかの証明が必要となります。

ふるさと納税で寄附した場合は受領書(寄付金受領証明書)の発行が一般的で、お礼状と一緒に届きます。早ければ 1 週間程度で届きますが、自治体によっては一括して郵送しており、1ヶ月〜2 ヶ月ほどかかります。複数の寄附先がある場合は、それぞれ発行のタイミングを各自治体に確認しましょう。なお、受領書をなくした場合は再発行できる場合もあります。

また法人が発行する領収書には、記載すべき項目が決められています。例えば、認定NPO法人の場合は下記項目の記載が必要です。

  • 認定 NPO 法人等の名称、所在地
  • 所轄庁からの認定等通知書に記載された番号
  • 認定年月日
  • 受領した寄附金の額及び受領年月日
  • どのような特定非営利活動に係る事業に関連する寄附金であるか
  • 寄付者の氏名、住所

寄附金控除の目的で使用する場合、記載漏れがある領収書だと使用できない場合もあります。到着したら一度目を通しておくことをおすすめします。


申告書
確定申告するための申告書も取り揃えなければいけません。本来は税務署で受け取ることができますが、近くに税務署ないという方は「確定申告書等作成コーナー」を活用してください。確定申告書等作成コーナーは国税庁が提供するサービスの一つで、インターネット上にて確定申告書が作成できます。また 2 月からの確定申告期には多くの納税者が来署するため、ご自身の状況と合わせて使い分けてみるとよいでしょう。確定申告書の書き方についても、国税庁のホームページに詳しく記載されています。


寄附金控除で利用できる身分証明
確定申告書と一緒に、身分証明の写しを添付する必要があります。身分証明と聞くと、免許証や保険証を思い浮かべると思いますが、寄附金控除では個人番号カード(マイナンバーカード)があると便利です。個人番号カードなら、表・裏の写し 1 枚を用意するだけです。 もし、個人番号カードがない(発行していない)場合は、下記の本人確認書類の写しを添付しましょう。

  1. 通知カードもしくは住民票(個人番号入り)+写真付きの本人確認書類(運転免許証、パスポート)
  2. 通知カードもしくは住民票(個人番号入り)+健康保険証、年金手帳、提出先自治体が認める公的書類(要確認)のいずれか 2 点

また、国税庁が運営する「e-Tax(国税電子申告・納税システム)」も便利です。月・土・日・休祝日を除き、8 時 30 分〜24 時まで利用できます(確定申告期では、全日・24 時間)。ただしメンテナンス日もあるため、e-Tax の利用日カレンダーで確認しておくとスムーズです。

 

「申告期限まで」にすべての書類を提出(送付)する

ここまでの書類を用意したら、申告期限までにすべての書類を税務署に提出します。事情により税務署にいけない方は「郵便や信書便での送付」、時間などの都合が悪い方は「税務署の時間外収受箱へ投函」も可能です。
確定申告期限は、原則として毎年 2 月 16 日〜3 月 15 日までの 1 か月間です。ただし、寄附金控除については確定申告の中でも「還付申告」となり、1 月 1 日から申告が可能な上、5 年前まで遡って申請することが可能です。

 

 

確定申告が不要な「ワンストップ特例制度」

ふるさと納税を対象にした「ワンストップ特例制度」なら、これまで紹介した確定申告の手続きは不要です。ワンストップ特例制度は普段から確定申告を必要としない方に向け、2015 年より始まった制度で す。手続きが簡単で、ふるさと納税を始めやすいメリットがあります。
仕組みは次のとおりです。

  1. 寄付者はふるさと納税+マイナンバー(個人番号)記載のワンストップ特例申請書、本人確認できる書類(コピー)を寄附先の自治体に提出
  2. 寄付先の自治体が「住民税の控除に必要な情報」を、寄附者の住んでいる市区町村に連絡
  3. 寄附者の「翌年度分の住民税」を減額

申請方法は、ネットで寄附をおこなう場合は「ワンストップ特例制度の申請を希望」にチェックします。
後日、郵送にて届いた書類、もしくはホームページからダウンロードした書類と身分証明の写しを添付し、寄付先の自治体に送ります。「ワンストップ特例制度の申請を希望にチェックしたら適用」ではないので、間違えないよう注意しましょう。
なお、ワンストップ特例制度を受けるには条件があります。

 

  • 確定申告をする必要がない「給与所得者(サラリーマン・年金受給者など)」である
  • 一年間の寄付先が 5 自治体以内
     

間違えやすい点としては、5回までではなく「5自治体以内」というところです。もし同じ自治体に複数回寄付をしても、1自治体としてカウントします。ただし、申請書は寄付の度に提出が必要です。同じ自治体に複数回寄付した場合もその回数分、申請書の提出が必要です。そして6つ以上の自治体に寄付してしまうとワンストップ特例制度の適用にならず、たとえサラリーマンや年金受給者の方でも確定申告が必要です。

また、ワンストップ特例制度が使えるのはふるさと納税に登録されている自治体です。すべての自治体がふるさと納税の対象ではない点も理解しておきましょう。 ふるさと納税での寄附金控除で「住民税がいくら安くなったか」は、毎年 6 月ごろに届く「特別徴収税額の決定・変更通知書(納税義務者用)」の「市民税 所得割額」「県民税所得割額」にて確認できます。

 

 ここまでのおさらい

  • 寄附金控除を受けるには「確定申告」が必要で、給与所得などの方は A、事業所得や不動産所得がある方は B の申告書を選ぶと良い
  • 確定申告では、確定申告書、受領書または領収書、本人確認書類(マイナンバーカードが便利)を税務署に提出する必要がある
  • 給与所得や年金受給者の方のふるさと納税に限定して、申請がより簡略になった「ワンストップ特例制度」が適用できる
     

 

 

よくある質問、寄附金控除の注意点

寄附金控除の確定申告でよくある質問、そのほかの注意点をまとめました。確定申告する際の参考にしてください。

 

自治体や NPO などに寄附金控除の報告は必要?
基本的には寄附金控除の旨を寄附先(自治体や NPO)に報告する必要はありません。ただし寄附先から送られてくる受領書や領収書は確定申告書と一緒に税務署へ提出します。受領書が届かないなどの場合は「寄附金控除で必要のため送ってほしい」と寄附先に連絡しましょう。

 

寄附金控除では源泉徴収票が必要だと聞いた
寄附金控除を受ける際に源泉徴収票の提出は必要ありません。正確には 2019 年(平成 31 年度)までは必 要でしたが、現在は「納税者の利便性向上を図る観点」から不要となりました。ふるさと納税も NPO へ の寄付も、税制優遇のための確定申告で必要なのは「申告書」「各証明書」「身分証明書」のみです。ただし、申告書を作成する際に源泉徴収票があると便利です。

 

確定申告期限までに受領書が届きそうにない
寄附者もしくは自治体側のトラブルにより「確定申告期限までに受領書が届きそうにない」場合があると思います。受領書が間に合わない場合は、写しを添付することも可能です。写しは自治体に確認し、 メール等で送ってもらいます。その後、受領書が手元に届いたら速やかに税務署に提出すれば問題ありません。

なお法人の場合は、寄附の方法により発行のタイミングが異なります。 継続寄付(毎月の寄附)の場合は、確定申告に合わせて「前年 1 年分を翌年の 1 月下旬ごろ」に手元に届きます。 また都度寄附(一回の寄附)の場合は、支払い手続きが法人で確認できた段階で郵送されるのが一般的です。たとえばクレジット決済だとカード会社によって振替確認が 1 ヶ月先になる場合があり、受領書の郵送も 1 ヶ月後となります。決済のタイミングは、あらかじめ各カード会社に確認しておきましょう。
こうしたトラブルは、税額控除を受けるため「12 月下旬の駆け込み寄附」をした場合によく発生します。寄附金控除を受ける場合は、年末から数ヶ月の余裕を持って計画することも大切で す。

 

年末調整での申告は対象外
年末調整は、会社が従業員に対して支払った給料から徴収される「所得税」の過不足金を調整するための手続きです。会社勤めの方ですと、12 月が近づくにつれよく聞く言葉だと思います。
寄附金控除は年末調整と一緒に申告することはできません。税額控除を受けるには、かならずご自身で確定申告やワンストップ特例控除の手続きが必要です。

 

モノドネの確定申告期限は 11 月 20 日まで
モノドネから提携する NPO 等に寄付される方で「年内の控除」を希望される方は、11 月 20 日までに寄付品の発送が必要です。11 月 21 日以降の寄付品受付分は領収書発行が翌年分となりますので、年内分の寄付金控除に含むことは出来ません。

 

 11 月 20 日までに寄付品を発送 : 確定申告した翌年に控除

 11 月 21 日以降に寄付品を発送 : 確定申告した翌々年に控除
 

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※寄付金控除を受けるには領収書が必要ですので、お申し込みの際に領収書希望を選択ください。

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