寄付団体で見かけるNPO、学校法人ってなに?信用度や活動内容に違いはある?

寄付団体で見かけるNPO、学校法人ってなに?信用度や活動内容に違いはある?


世界のどこかで日々、助けを求める「生活難民者」や「両親のいない子どもたち」。ロシアの侵攻によって自由を奪われたウクライナの人びと。現状を知り「少しでも世界協力をしたい」と寄付に興味を持たれる方も多いのではないでしょうか。
一方で、そんな寄付市場にはさまざまな専門用語が飛び交い、「どの団体やサービスから申し込めばいいのか」と悩む人が多いのも事実です。
そこで今回の記事は、寄付をするにあたって頻繁に登場する「NPO」「社団法人」「公益法人」「学校法人」を、モノドネの登録団体に合わせて解説。むずかしい言葉抜きで分かりやすくまとめましたので、少しでも理解を深めていただければ幸いです。

 

寄付団体で一番多いNPOとは?

団体を選ぶときによく見かけるのが「NPO」という言葉ではないでしょうか。
NPO(エヌピーオー)とは、Non-Profit Organization(ノンプロフィット オーガニゼーション)の略で、「お金のために活動をしない組織」のことです。ノンプロフィットは「非営利」、オーガニゼーションは「組織」と、それぞれ意味を持ちます。
NPOには種類があります。最も代表的なのは、NPO法人と認定NPO法人でしょうか。

 

NPO法人と認定NPO法人の違い

NPO法人と認定NPO法人の違いは、国から認定を受けているか否かです。そして、もう1点。皆さんが寄付をした際に寄付金控除を受けられるか否かです。   
「NPO法人」は、「任意団体」が法人格を得て、所轄庁の認証を受けた組織です。さらに、所轄庁が指定する条件をクリアすることで、晴れて「認定NPO法人」になれます。
「認定NPO法人」として国に認められるための条件には、例えば次のようなものがあります。

•    1年間に3,000円以上の寄付者が「100人以上」いること
•    設立してから1年を超える期間が経過していること
•    法令違反、不正行為、公益に反する事実がこと
•    事業内容が適切であること
•    情報公開を適切に行っていること
•    所轄庁に事業報告書などを提出していること

もし気になっている団体が「認定NPO法人」の場合、その団体は上記のような厳しい条件を満たし、少なくとも1年以上活動を継続していることになります。
また、認定には5年間という期限があり、継続して認定を受けるにはその5年間の事業実績がチェックされます。継続して厳しい条件を満たしていると認められると、改めて次の5年間も「認定NPO」を名乗ることができるのです。団体を選ぶときの、一つの目安にしてみましょう。

 

NGO

NPOに似た言葉で「NGO(エヌジーオー)」といったものがあります。   
ここでは詳しく解説しませんが、NGOとはnon-governmental organizations(ノンガバメンタル オーガニゼーション)の略で、「政府や国際機関とは直接的に関わりを持たない組織」、つまり民間組織のことです。ノンガバメ ンタルは非政府、オーガニゼーションは組織の意味です。   
NGOという略称は、国連が様々な協議を行う際に政府組織と民間組織を区別するために使われるようになりました。

NGOは、貧困、平和、人道、環境など、世界で起こる様々な問題の解決を目的とし、営利を目的としない、民間組織です。
NPOとの違いについて外務省は
『どちらも市民が主体となり、営利を目的とせずに、課題を解決したり、よりよい社会を作る活動を行う団体のことを指します。日本では、海外の課題に取り組む活動を行う団体をNGO、国内の課題に対して活動する団体をNPOと呼ぶ傾向があるようです。』 
としています。

 

一般法人、公益法人とは?

NPO、NGOと並んで「一般〇〇法人」「公益〇〇法人」といった組織名も耳にすることも多いと思います。
寄付に関わる一般法人、公益法人では、おもに次の4つで成り立ちます。

•    一般社団法人
•    一般財団法人
•    公益社団法人
•    公益財団法人

「法人」と聞くと会社を想像されるかもしれませんが、世の中にある株式会社とは仕組みが異なります。まず一般社団法人や公益社団法人は、NPOと同じく営利を目的としません。

また一般と公益の違いは、自法人だけでなく公益(不特定かつ多数の者の利益)を生むのかどうかです。公益法人になるには、一般法人設立後、内閣総理大臣もしくは都道府県知事から認定を受ける必要があります。


社団法人、財団法人の違い

社団法人、財団法人の違いも見ていきます。   
社団法人は「人の集まりからなる法人」に対して、財団法人は「財産からなる法人」です。
また社団法人は、非営利法人として運用が成り立ち、構成員2名以上いれば登記のみで設立が可能と、設立は比較的容易です。一方で、財団法人は設立をするのに300万円の費用と理事3名、評議員3名、監査1名の7人が必要等の条件があります。
すこし難しい内容となりましたが、一般社団(財団)法人も公益社団(財団)法人も、運用で得られた利益は、基本的に「団体の活動費として再投資する」ということになります。

 

学校法人

教育に関するニュースや記事で、「学校法人」という言葉を一度は見聞きしたことがあるかもしれません。中には「学校法人の目的や仕事ってなに?」「株式会社とは何が違うの?」「学校法人に寄付するメリットは?」と、疑問を抱いていた方もいることでしょう。
ここでは学校法人の意味、設立や運営について詳しく見ていきます。


学校法人とは

学校法人とは、一言で表すと「学校を設立、運営する公益法人」です。
日本では幼稚園、小学校、中学校、高等学校、大学など、さまざまな教育現場が存在していますが、そのうち学校法人によって運営されるのが「私立学校」です。
たとえば次のような場所は、すべて学校法人によって設立される学校です。

●    私立幼稚園
●    私立保育園
●    私立小学校
●    私立中学校
●    私立高等校
●    私立大学
●    専修学校

私立大学なら「早稲田大学」「慶応義塾大学」「日本大学」等がよく知られますが、これらもすべて「学校法人」が運営します。
このように学校法人は、すでに私たちの身近にも存在する組織だということが理解できますね。
参考として、国立学校を作るのは「国」、公立学校を作るのは「地方公共団体」です。

 

専修学校は「準学校法人」が設立

専修学校とは、学校教育法に基づき「専門的な知識と技術を身につけるための学校」です。専修学校は、専門課程・高等課程・一般課程の3つに分けられます。専修学校と似たもので「専門学校」がありますが、専門学校は高等学校を卒業した者を対象にした「専門課程」を置く専修学校です。
また専修学校は「準学校法人」によって設立されます。準学校法人は、学校法人と同じく「学校の設立、運営」を目的とした法人ですが、私立学校法で次のように定義されています。
「専修学校又は各種学校の設置のみを目的とする法人(私立学校法64条4項)」
各種学校は「一条校※」に該当しない学校のことで、自動車学校、洋裁学校、美容学校などがそれにあたります。
※一条校・・・学校教育法(昭和22年法律第26号)の第1条に掲げられている教育施設の略称
このように、学校法人と準学校法人はいずれも私立学校法に基づいていますが、両者には設立できる学校の違いがあります。

 

株式会社との違い

大前提として、株式会社と学校法人は「活動目的」が異なります。株式会社では「利益の追求」を主目的としますが、学校法人では「公益の増進」を目的に活動します。公益とは、つまり「社会一般のためになる利益」です。
 

 


学校法人の設立と運営

私立学校を設立するのは学校法人ですが、ではその学校法人はどうやって設立されるのでしょうか?
学校法人の設立と運営について、もう少し具体的に見ていきましょう。


設立方法
学校法人を設立するときは、寄附行為において目的・名称・種類といった事項を定め、所轄庁の許可を受けなければなりません。寄附行為とは「自らの一定の財産によって財団を設立するときに定める、根本規則」のことです。
学校法人は1949年に創設した「私立学校法」によって、財団法人の特殊な形として定められました。
財団法人の設立には「設立者が財産を拠出」する必要がありますが、学校法人の設立でも「学校を経営するための一定の資産」が求められます。
したがって、NPOや株式会社のように「書面」「事業計画書」を提出したからといって、すぐに設立できる訳ではありません。そのため、財団設立=寄附行為と呼ばれることもあります。


組織図
また、学校法人では最低限必要な役員数が決められています。
・理事5人以上
・監事2人以上
(理事、監事とも外部監事を一人以上含まなければならない)
理事は、学校法人を代表し、業務を決定するための権限をもちます。また監事は、学校法人の財産状況、理事の業務執行状況などを監査します。
理事と監事のほかに「評議員会」の設置も必要です。評議員会は、学校法人の運営に関する重要事項について、役員に対して意見を述べる機関です。評議員は、理事の定数の二倍を超える人数が必要です。
 

運営資金
学校法人は「財団法人の特別な形」ですが、運営継続のために当てるのは財産だけに限りません。
学校法人は、おもに下記4つの資金源で運営されます。

・学生納付金
・補助金
・寄付金
・事業収益

学生納付金
学生納付金とは「学校に納めるお金」です。学費とも言います。納金額などは国立、公立、私立、または学校ごとで異なるものの、在学または授業を受けるためにはかならず必要なお金です。
また学納金は、高等学校等授業料補助制度や高等学校等就学支援制度など、国から補助を受けることもできます。近年では、教育関連のNPOなどから奨学金の支援が受けられるケースも多くなってきました。国やNPOからの補助は、おもに困窮世帯の学生が対象となります。


補助金
補助金とは「国から補助されるお金」です。私立学校は学校数や生徒数が国全体の大半を占めていることから、補助制度(私学助成)が充実しています。
たとえば、経営の健全性の向上を目的とした教育や研究のための「私立大学等経常費補助金」、教育研究の充実や質の向上を目的とした施設・設備の強化のための「私立学校教育研究装置等施設整備費補助金」などがあります。
>>文部科学省「私学助成の充実」


寄付金
寄付金とは「寄付により、個人や団体などに贈る金銭または財産」です。不特定多数の人から金銭を募る「募金」も寄付金の一つです。寄付金は、学校法人などの非営利組織にとって非常に大きな存在となっています。


事業による収益
学校法人は教育研究を目的とした法人ですが、企業と同じように「収益事業」を行うこともできます。NPOなど非営利組織は「お金儲けをしてはいけない」と誤解されることもありますが、この非営利とは「営利を主目的に活動してはいけない」という意味です。文部科学省では、付随事業および収益事業について次のように記載します。

 学校法人は、その設置する私立学校の教育に支障のない限り、その収益を私立学校の経営に充てるため、収益を目的とする事業を行うことができる。
2 前項の事業の種類は、私立学校審議会又は学校教育法第九十五条に規定する審議会等(以下「私立学校審議会等」という。)の意見を聴いて、所轄庁が定める。所轄庁は、その事業の種類を公告しなければならない。
3 第一項の事業に関する会計は、当該学校法人の設置する私立学校の経営に関する会計から区分し、特別の会計として経理しなければならない。

※出典元:私立学校法 第26条(収益事業)

とくに設立して間もない非営利法人の場合は、運営を継続するためにも「収益事業」が必要不可欠と言えるでしょう。

 

学校法人の支出

資金源に関連して「学校法人がどんなことにお金を使っているのか」支出面も理解しておくべき事項です。
学校法人のおもな支出は次のとおりです。

●    人件費
●    教育研究費
●    管理費

人件費
おもに「学校法人および各教育現場における給与」を指します。非営利法人が完全なボランティア活動と勘違いされますが、NPOや学校法人でも正社員やパートでの採用をします。
学校法人では、「教員人件費」「職員人件費」などがあります。
また一部の学校ではボランティア募集もおこないます。ボランティアには直接的な人件費はありませんが、送迎、食事補助などの諸費用が発生するケースもあります。


教育研究費
教材費、研究費、印刷製本費、消耗備品費、消耗図書費等、教育研究のための経費です。
教育や研究に直接かかわる経費であれば、光熱費なども教育研究費に含まれることが多いです。
また、給付型の奨学費もこちらに含まれますが、貸与の奨学金は貸付金の扱いになり、教育研究費ではなく、その他の支出に含まれます。


管理費
法人業務で必要となる経費が管理費です。総務、経理などの他に、役員の業務にかかる経費、生徒募集にかかる経費、教員への福利厚生等が含まれます。

 

 

「設立者」と「寄付者」に税制優遇あり

ここまで学校法人の意味や運営・設立について解説してきましたが、税金面に関しても大きな特徴があります。
 

設立における税制優遇

学校法人では、法律が定める範囲で収益事業を行うことができます。普通法人の場合、収益事業には「23.2%」の法人税が課せられますが、学校法人では19%と「4.2%」優遇されています。
また学校法人では、収益事業以外の法人税や、国税における所得税・登録免許税がかかりません。さらに地方税(地方における行政府に対して納付する税金)では、住民税・事業税・収益事業以外の事業所税・固定資産税・不動産所得税・特別土地保有税・目的外不動産を除く都市計画税が非課税となります。
認定NPOや学校法人などは「公益性のある事業や活動をおこなう」ことから、設立側にもこうした優遇が用意されているのです。

 

寄付における税制優遇

学校法人へ寄付した場合も、税制優遇制度が定められています。寄付者における税制優遇は「寄附金控除」とも呼ばれます。寄附金控除は「国や地方公共団体、特定公益増進法人などに対して特定寄附金」を支出した際に受けられる所得控除の制度」です。この制度は、学校法人の寄付だけでなく、認定NPO法人や財団法人などに寄付を行った場合も対象です。
【関連記事】寄付金控除ってなに?誰でも申請できるの?種類と仕組みをわかりやすく解説

税制優遇については、個人が「所得税法上の寄付金控除」と「住民税の寄付金税額控除」、法人が「法人税に関する控除」が受けられます。
なお寄附金控除を受けるには、いずれの場合も「確定申告」が必要です。寄附金控除を受けるための確定申告で詳しく解説していますので、こちらも合わせて一読ください。

学校法人のまとめ
・学校法人とは「私立学校法に基づき、私立学校の設立および運営を主目的とした非営利組織」のこと
・学校法人は「財団法人の特殊型として定められた法人」で、設立には財団法人と同じく一定資産が必要
・学校法人は国から「社会に対して公益性の高い法人」と見なされており、助成や税金などの優遇が豊富

 

 

モノドネに登録されている「上智学院」も学校法人のひとつです。

「上智学院」が設立・運用する学校
上智大学
•    大学院
•    学部
•    助産学専攻科
•    研究機構・附置研究機関等
上智大学短期大学部
上智社会福祉専門学校
栄光学園中学高等学校
六甲学院中学校・高等学校
広島学院中学校・高等学校
上智福岡中学高等学校

学校法人に寄付をするメリットは、「税額控除制度(寄附金控除)」が受けられることでしょう。寄付金控除とは、特定の寄付をすることで皆さんが納めるべき税金が安くなる「控除制度」のことです。
なお寄付金控除は、先ほど紹介した認定NPO法人、公益社団法人、公益財団法人に寄付した場合も受けることができます。
寄附金控除については、「寄付金で節税できる?(https://monodone.com/article/13)」で詳しく解説しています。

 

 

モノドネの登録団体(2023/1月現在)

NPO法人、一般法人、公益法人、学校法人と話してきましたが、モノドネでもさまざまな団体様に登録いただいています。

NPO法人

団体・機関
風の会
メダカのお弁当

 

認定NPO法人

団体・機関
Hope and Faith International
えひめイヌ・ネコの会
レスキューストックヤード
日本ミャンマー豊友会
プラス・エデュケート(愛知)
文化学習共同ネットワーク
オリーブの家
セカンドハーベスト
テラ・ルネッサンス
侍学院スクオーラ・今人
ピースウィンズ・ジャパン
ひょうたんカフェ
パンドラの会(愛知)

 

学校法人

団体・機関
上智学院

 

一般財団法人

団体・機関
あしなが育英会

 

公益財団法人

団体・機関
プラン・インターナショナル・ジャパン
名古屋YWCA
交通遺児育英会
ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン (名古屋ハウス)
そらぷちキッズキャンプ
日本骨髄バンク
豊橋善意銀行

 

公益社団法人

団体・機関
認知症の人と家族の会

 

社会福祉法人

団体・機関
中部善意銀行

 

特定公益増進法人

団体・機関
日本赤十字社愛知県支部

※赤十字社はNGO組織です。

 

任意団体

団体・機関
GUNDOG RESCUE CACI
宮っこ支援センターSAKURa

 

団体についてもっと知りたい方は無料相談もおこなっていますので、気軽にお問い合わせください。
>>団体の詳細をみる

「応援したい」を最優先に
それぞれ組織の種類について紹介しましたが、最終的にどこに寄付をするか決めるのは皆さんです。 私たちモノドネも募金(寄付)する際のアドバイスはできますが、「応援したい」「助けたい」という気持ちに勝るものはありません。
ぜひご自身の意志も大事にしていただいて、心から納得のいく団体を一緒に選んでいきましょう。

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  2. 申し込みをする

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  3. 寄付品を発送する。

    メールに記載された発送先へお品を発送する。

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