寄付と寄贈の違いは何?義援金や支援金との関わりも併せて解説
「募金やボランティアを通じ、自分も社会の役に立ちたい!」
紛争・貧困・動物虐待など、日本や世界が抱えるさまざまな社会問題に目を向け、寄付について勉強される方もいることでしょう。寄付の種類や方法を調べていく中で、寄附・寄贈・義援金・支援金・遺贈寄付など、普段から聞き慣れない専門用語を目にする機会も増えます。
その中でも今回は「寄付」と「寄贈」の違いを中心にやさしく解説したいと思います。また、寄付と寄贈以外の「義援金」「支援金」「寄与」といった一緒に使われる専門用語についても併せてご紹介します。
当内容の流れ
- 寄付とは
- 寄贈とは
- 一緒に使われる専門用語「支援金・義援金(義損金)・寄与など」
- 寄付で迷ったら、金銭または要らないモノで支援 | まとめ
1.寄付とは
寄付とは、自らの意思で公のことや事業のために金銭・品物を無償で提供する行為です。「公のこと」とは自分または家族以外のこと(場所)、つまりは社会全体で起きていることを指します。
私たちの知らないところでは、無数のボランティア団体(NPOなど)や支援組織が、国・地域が抱える問題の解決のために活動しています。たとえばコンビニやお祭りなどで募金箱を見たことがあると思いますが、すべて団体がおこなう社会問題解決に向けた取り組みです。
ほかにも、大きな地震や津波などの災害が起きた現地にて瓦礫(がれき)や廃棄物などの撤去、事故や病気などで両親を失った子どもたちに少しでも明るい未来を提供するなど、数々の救援・支援がなされています。
またこれらの活動は、各団体への寄付に支えられています。
しかし、日本の寄付はそのほかの先進国と比較すると規模が小さいです。それでも2016年〜2020年の間で156.3%の増加(7,756億円)を見せています。これはふるさと納税やクラウドファンディングの盛り上がりも大きな要因と言えるでしょう。
>>寄付の種類をもっと詳しくみる(https://monodone.com/article/36)
寄付できるもの
寄付団体などに支援できるものを見ていきましょう。
金銭
金銭を用いた支援は、寄付のなかで最も有名です。団体によって異なりますが、500円などの少額からでも寄付が可能です。レジ横の募金箱も金銭を使った寄付です。
おもな支払い方法:現金・クレジットカード
物品
寄付先によっては物品支援も可能です。物品支援はお金の寄付に抵抗がある方でも始めやすい反面、送れるもの・送れないものを正しく理解しないと逆効果となる恐れも。
物品支援できるもの一例:食料品・衣料品・日用品・おもちゃ・ゲーム・カメラ・布や紙などの素材など
ポイント
現代はインターネットが普及したこともあり、ポイントを活用した寄付も盛んです。サイトによっては1ポイントから寄付できます。
ポイント寄付の一例:楽天ポイント(楽天)・Tポイント・ポンタポイント(リクルート)・Amazonポイント(アマゾン)など
不動産または財産
不動産や財産も寄付できます。家や土地は持ち続けるだけでも固定資産税がかかるため、節約を兼ねて活用するケースも多いです。また昨今では遺産を寄付できる遺贈寄付も認知が高まってきました。
おもな不動産、財産の寄付:家・土地・マンション・アパート・山林・株・家財道具
時間
人が誰しも平等に持つ「時間」も寄付できます。時間の寄付とは「問題解決のために働く」ということです。それなりの覚悟も必要かつ、興味本位だけで始められるものではありません。
おもな時間の寄付:仕事(雇用)・ボランティア・プロボノ
アイデア・知恵
私達のアイデア・知恵を求める団体も存在します。
当サイト「モノドネ(monodone)」提携団体の認定NPO法人ポパイには、アイデア寄付という支援方法があります。
「こんなことしてみたら」「こんなお菓子どう」などのアイデアを、フォームまたは封書で受付けています。
>>認定NPO法人ポパイを詳しくみる(https://monodone.com/article/44)
寄付できる場所
寄付できるものに続き、寄付できる場所もご紹介します。
非営利組織
寄付先で最も有名なのは「非営利組織」です。
非営利組織には、NPO(Non-Profit Organization)、社団法人などいくつかの種類がありますが、利益を求めずに善意で活動をおこなう組織です。
NGO(Non-Governmental Organizations)といった海外でおきている問題を中心に取り組む非政府組織も存在しますが、NGOも非営利組織です。
非営利組織の種類:NPO法人・社団法人・財団法人・NGOなど
自治体
地方自治体にも寄付できます。
地方自治体とは、皆さんの身近な生活に関わる行政を中心となって行う団体です。地方公共団体と呼ぶこともあります。
※行政:法律または条例で決定された内容を執行する、など
より街を住みやすくするのも、地方自治体の努めと言えますね。
昨今では地方自治体に寄付して、返礼品の受け取り、税制の優遇(寄付金控除)を目的に「ふるさと納税」を活用する方も増えています。
>>NPOや自治体をもっと詳しく知る(https://monodone.com/article/22)
教育機関・医療機関・福祉施設
非営利組織または団体提携サービス(当モノドネなど)への寄付が一般的ですが、教育機関や医療機関へ寄付することも可能です。ただし一般の方々から支援を受け付けるかは寄付先の方針によります。
教育機関 | 図書館・博物館・学校・保育園・幼稚園など |
医療機関 | 病院・診療所など |
福祉機関 | 老人ホーム・介護施設・障害者施設・児童養護施設など |
なお寄付先で迷われている方は「寄付先の選び方(https://monodone.com/article/59)」も一読ください。
寄附との違い
寄付という言葉を「寄附」と記述するケースを見かけることもあるでしょう。
寄付と寄附は漢字こそ違うものの、基本的には同じ意味です。
違いを端的にいうと、公的な文章(公文書)では「寄附」と使われる場面が多いです。
公文書
日本の公務所もしくは公務員が、その肩書をもって職務権限に基づき作成した文書のこと。一方で、公務所や公務員以外など「公的な立場にない名義の私人」が作成した文書は「私文書」となる。
つまり文書を作成する立場・場面で明記の仕方が違うということです。
寄付のメリット・デメリット
寄付の良い点・悪い点は次のとおりです。
メリット
• 「社会貢献」への参加を実感できる
• 幸福度が得られる
• 継続した支援できる
• 使いみちが幅広い(金銭の場合)
• 思い立ったらすぐ始められる
• 税制優遇が受けられる(寄付金控除)
デメリット
• お金が必要(金銭の場合)
• 金銭的リターンは得られない
• 団体によっては活動内容・使い道が不透明に感じる
2.寄贈とは
寄贈は、学校や図書館、医療機関など公共性の高い場所に対して物品を「贈る」ことをいいます。金銭を贈る場合に、「寄贈」は使いません。
寄贈できるもの
寄贈できるものは、寄贈先が必要とするモノであればとくに指定はありません。
たとえば図書館であれば、書籍やその郷土の資料、学校であれば授業で使用する備品などが寄贈されるケースが多いです。
寄贈と寄付(寄附)の違い
寄贈と寄付の明確な違いは「提供物」です。
寄付は「金銭」または「物品」を対象としますが、寄贈は「物品」のみです。
寄付と寄贈は英語で「donation」あるいは「contribution」と表記しますが、「donation」も「contribution」も金銭を贈ることも含むため、正確には寄贈を表してはいません。このことからも、寄付と寄贈は違う行為であるといえます。
物資との違い
寄贈と近い意味に物資(物品寄付)があります。
「寄贈と同じ意味では?」と感じる方もいるかと思いますが、贈られる「モノ」が異なります。
物資は人が生活するうえで必要な品物をさします。「個人がNPOに物資を提供」「NPOが被災地に必要な物資を届ける」などと使われるように、食料品や生活用品をさします。
一方で寄贈は、物資の「生活するうえで必要な品物」に限らず、書籍やその施設で必要とする備品までを含みます。
寄贈の事例
モノドネ提携団体を例に、寄贈の事例を見てみましょう。
セカンドハーベスト・ジャパン
「食のセーフティネット」としてフードバンク活動に取り組む「認定NPOセカンドハーベスト」では、他業者からの食品や飲料の寄贈実績を積み上げています。
フードバンクとは、まだ食べられる食料品を企業や個人から寄付として集め、福祉施設などに届ける活動です。
プロスポーツの試合会場でフードドライブを開催し、名古屋グランパスの会場から164キロ、また同様に名古屋ダイヤ。モンドドルフィンズの会場から108.8キロの食料品がそれぞれ寄贈されました。
またフードドライブを知った近隣の一般の方にも食品寄贈に立ち寄ってもらえたとのこと。
>>認定NPO団体セカンドハーベストについて(https://monodone.com/article/32)
レスキューストックヤード(RSY)
大地震や火災などの災害支援、地域防災に取り組む「認定NPO法人レスキューストックヤード(以下RSY)」でも、企業・法人から寄贈を受けた実績があります。
2022年5月には、プリンター・複合機・ミシンなどを販売する「ブラザー(BROTHER)」から複合機が寄贈されました。
もともと2011年に発生した東日本大震災の「支援活動」から親交を深めており、今回の寄贈に至ったとしています。
過去をさかのぼり、2000年9月11日に発生した東海豪雨水害では、「名古屋青年会議所」から約1万本のスコップが寄贈されました。当時の活動はもちろん、その後の緊急救済活動に活かされています。
青年会議所
20歳〜40歳までの志の高い青年経済人により「奉仕」「修練」「友情」のもと、明るい豊かな社会の実現を目指す青年団体
RSYはウクライナからの避難民の支援にも活発に取り組みます。
>>認定NPO法人レスキューストックヤードについて(https://monodone.com/article/40)
寄贈のメリット・デメリット
寄贈の良い点・悪い点は次のとおりです。
メリット
• 団体や企業の認知度を上げる広告になる
• 受贈側(寄贈される側)が最大限活用できる
• 寄贈する・されることで信頼関係が生まれる
• ネットワークを大きく広げる可能性を秘めている
デメリット
• 少量(数点)の寄贈ではあまり効果がない
• 相手のことを良く知らないと不都合な場合もある
• 一度寄贈すると、返却ができない
3.一緒に使われる専門用語「支援金・義援金(義損金)・寄与など」
支援金・義援金(義損金)・寄与といった言葉も、寄付や寄贈と併せて使われる事が多いです。
支援金とは
支援金とは、NPOやNGOの団体活動支援などを目的に送られるお金のこと。支援金は国または地方公共団体から提供されるケースが多いです。助成金・補助金などと呼ばれる場面もありますが、このように支援されるお金は融資とは異なり「返済」を必要としません。
支援金や助成金の受け取りには申請が必要で、また、かならずしも受けられる訳ではありません。事業計画書、収支予算書、団体の定款、役員の名簿その他、自団体の活動をアピールする資料などを提出し、厳正なる審査のもと決定します。
義援金(義損金)とは
義援金(義損金)とは、災害の被害者の生活を支えることを目的に、被災地の方一人ひとりに直接手渡されるお金のこと。
義援金として分配されるお金の大半はインターネットや街角募金にて集められた寄付金です。また義援金の窓口は、各自治体・内閣府・非営利団体などがあげられます。
義損金
義援金と同じ意味です。損が当用漢字として使われておらず、文書によっては義損金と名称することがあります。
寄与とは
寄与の定義は「社会や人のために役に立つこと、または貢献すること」です。寄付や寄贈よりもっと大きな意味を持ちます。
4.寄付で迷ったら、金銭または要らないモノで支援 | まとめ
寄付と寄贈の違い、支援金や義援金についてまとめてきました。
本記事のまとめです。
- 寄付とは自らの意思で公のことや事業のために金銭・品物を無償で提供すること
- 寄贈とは公共性の高い場所に対して物品を無償で贈ること
- 寄付と寄贈の大きな違いは、金品を対象とするかどうか。
言葉の意味や使い方はそれぞれ異なりますが、どのような支援のカタチも社会貢献につながる第一歩です。
もし寄付のやり方で迷うことがあれば、金銭または不用品をお金に変えての支援がおすすめです。
金銭であれば、NPOなどの団体が取り組む問題に最大限活用できるためです。
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